西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
風営法

ゲームセンターと風営法|
5号営業の許可が必要なケースと10%ルール

2026.06.12 監修:西岡 祐也(元広島県警察官13年/行政書士)

ゲームセンターを開きたい、バーにゲーム機を置きたい、ポーカーで遊べるアミューズメントバーをやりたい——そんなとき、多くの方が驚くのがこの事実です。ゲームセンターは、風営法上の「風俗営業」(5号営業)です。キャバクラなどと同じ「風俗営業」のくくりで、警察(公安委員会)の許可が必要になります。この記事では、どんな設備を置くと許可が要るのか、許可不要になる「10%ルール」、そしてクレーンゲームの景品ルールまで、5号営業の全体像を整理します。

この記事のポイント
結論

・射幸心をそそるおそれのある遊技設備で客に遊技をさせる営業=5号営業の許可が必要

・遊技設備の面積が客室の10%以下なら許可不要(10%ルール)。ただし面積計算は厳密に

・クレーンゲームの景品は小売価格おおむね1,000円以下まで。換金・買取りは違法

営業は深夜0時まで。18歳未満は22時以降立入不可。無許可営業は法人最大3億円の罰金。

5号営業とは — 対象になる設備・ならない設備

風営法の5号営業は、条文ではこう定義されています。「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗等で、客に遊技をさせる営業」。かみ砕くと、勝ち負けや点数がつき、ギャンブル的に使おうと思えば使える遊技設備を置いて客に遊ばせるなら5号、ということです。

対象になる設備の例(許可が必要)
  • ビデオゲーム機(テレビ画面等で遊技させるものは原則対象)
  • スロットマシン、ポーカーゲーム機などのカジノ系機器
  • メダルゲーム機
  • クレーンゲーム機(プライズ機)
対象にならない設備の例
  • プリントシール機(プリクラ)
  • カプセルトイ(ガチャガチャ)
  • 乗り物型の子ども向け遊具など、射幸心と関係のないもの

ゲームセンターのほか、アミューズメントカジノ、カジノバー、ポーカーバーもこの5号営業に当たります。逆に、プリクラ機だけを置いた店なら5号の許可は不要です。

許可が不要になる「10%ルール」

「バーの一角にゲーム機を1台置きたい」「ホテルのロビーにゲームコーナーを作りたい」——こうしたケースの救済が、いわゆる10%ルールです。遊技設備の面積の合計が、客室面積の10%以下であれば、5号営業の許可なしでゲーム機を設置できます。施設の主目的が別にあって、ゲーム機はあくまで"おまけ"という位置づけなら許可までは求めない、という考え方です。

面積の数え方に注意
  • ゲーム機の面積は機械そのものの投影面積ではなく、客が遊技するためのスペースを含めて数える。実務上は設置面積の3倍が目安
  • 3倍しても1.5㎡に満たない場合は、1台あたり1.5㎡として計算する
  • 客室面積は、客が実際に使う部分だけ(従業員専用部分は含まない)

この計算を誤って、実際には10%を超えていた——という場合、風俗営業の無許可営業として扱われるおそれがあります。罰則は非常に重いので、10%ルールで運用したい場合は、事前に管轄警察署か専門家に確認するのが安全です。

なお、深夜営業届のバーに10%ルールでゲーム機を置く場合も、使い方によっては「遊興」に当たって深夜0時以降は使えなくなるなど、別のルールとの兼ね合いが出てきます。ここも設計段階での確認をおすすめします。

クレーンゲームの景品は「おおむね1,000円以下」

5号営業には、営業を始めた後の重要ルールがあります。遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない(風営法23条2項)——つまり、原則として景品出しは禁止なのです。

「え、クレーンゲームは?」と思いますよね。クレーンゲームの景品は、警察庁の解釈運用基準によって、小売価格がおおむね1,000円以下のものを提供する場合は「遊技の結果に応じた賞品提供」に当たらない、と扱われています。

1,000
クレーンゲーム景品の上限(小売価格・おおむね)。長らく800円でしたが、2022年3月に1,000円へ改定されました。アミューズメント施設専用の景品は、この基準で流通しています。

逆に言えば、次のような行為は違法です。

とくにアミューズメントカジノでのチップ買取り・換金は、近年、摘発が相次いでいる分野です。「アミューズメント」と名乗っていても、換金した瞬間に賭博です。

営業時間・年少者・構造の基準

5号営業には、1号営業(キャバクラ等)と似た規制がありますが、数値が違うところがあるので注意してください。

最後の「紙幣挿入機の禁止」は5号ならではのルールです。両替機は別として、ゲーム機そのものにお札を入れられる構造はNG。中古のゲーム機を輸入・購入するときに見落としがちなポイントです。

現場の話 元広島県警察官・西岡より

裏スロットや違法カジノといった話は、現職時代に直接携わることはなかったのですが、多くの話を耳にしていました。喫茶店の扉を開いたらスロット台がずらりと並んでいたとか、看板のないお店の扉を開くと、そこがカジノだったとか。

誰が見ても「違法だろうな」と分かる世界ですが、その違法性を規律しているのが、まさにこの風営法(5号営業)という訳です。

言わずもがな、ゲーム機は賭博と絡みやすい。それだけでなく、少年の恐喝の現場に選ばれることも多いんです。だからこそ警察が許可制で管理している——「ゲームだから緩い」のではなく、ゲームだからこそ、警察は厳しく見ている。そう理解しておいてください。

無許可営業の罰則は「法人最大3億円」

風営法の無許可営業の罰則は、近年の法改正で大幅に強化されました。

個人 5年以下の拘禁刑 もしくは 1,000万円以下の罰金
法人 最大3億円以下の罰金

「ゲームだから大したことない」という感覚は、法律上まったく通用しません。とくにアミューズメントカジノは全国で摘発が続いており、10%ルールの計算ミスによる"うっかり無許可"も同じ土俵で扱われるおそれがあります。設備を置く前の確認が、何よりの防御です。

まとめ

「この機械を置いたら許可が要る?」「10%に収まっている?」——設備の線引きは個別判断の世界です。広島でゲーム機の設置・アミューズメント営業をお考えなら、購入や工事の前にお気軽にご相談ください。

よくある質問

Qバーの一角にゲーム機を1台置くだけでも、風営法の許可が必要ですか?
A遊技設備の面積の合計が客室面積の10%以下であれば、5号営業の許可なしで設置できます(10%ルール)。ただし面積は機械の投影面積ではなく、遊技スペースを含めて設置面積の3倍(最低1.5㎡)で計算します。計算を誤って10%を超えると無許可営業となるおそれがあるため、事前に管轄警察署や専門家に確認することをおすすめします。
Qクレーンゲームの景品には、いくらまでの物を入れられますか?
A警察庁の解釈運用基準により、小売価格がおおむね1,000円以下の物品であれば、禁止される「遊技の結果に応じた賞品提供」に当たらないと扱われています(2022年3月に800円から1,000円へ改定)。1,000円を超える景品の提供や、獲得した景品・メダルの換金・買取りは違法です。
Qゲームセンターは何時まで営業できますか?子どもは何時まで入れますか?
A営業時間は原則として深夜0時までです(条例により午前1時までの地域あり)。年少者については、16歳未満は18時以降は保護者の同伴が必要で、18歳未満は22時以降は立ち入ることができません。入場時の年齢確認の方法も許可審査で確認されます。
ゲーム機の設置は「置く前」の
線引きがすべてです

5号営業の許可が要るのか、10%ルールに収まるのか、景品の運用は適法か——元広島県警察官13年の行政書士が、設備購入や内装工事の前に判定します。広島でゲームセンター・アミューズメント営業をお考えなら、お気軽にご相談ください。

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