ゲームセンターと風営法|
5号営業の許可が必要なケースと10%ルール
ゲームセンターを開きたい、バーにゲーム機を置きたい、ポーカーで遊べるアミューズメントバーをやりたい——そんなとき、多くの方が驚くのがこの事実です。ゲームセンターは、風営法上の「風俗営業」(5号営業)です。キャバクラなどと同じ「風俗営業」のくくりで、警察(公安委員会)の許可が必要になります。この記事では、どんな設備を置くと許可が要るのか、許可不要になる「10%ルール」、そしてクレーンゲームの景品ルールまで、5号営業の全体像を整理します。
- ゲームセンター・アミューズメントカジノ・カジノバーは、風営法の5号営業。射幸心をそそるおそれのある遊技設備(ビデオゲーム・スロットマシン等)で客に遊技をさせるなら風俗営業許可が必要。
- 例外が「10%ルール」:遊技設備の面積合計が客室面積の10%以下なら許可不要。ただし面積計算には決まりがあり、計測ミスで10%を超えると無許可営業扱いに。
- クレーンゲームの景品は、小売価格おおむね1,000円以下ならOK(2022年3月に800円から改定)。それを超える景品や、獲得物の換金・買取りは違法。
- 営業時間は原則深夜0時まで。16歳未満は18時以降保護者同伴、18歳未満は22時以降立入不可。
- 無許可営業の罰則は強化され、個人は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、法人は最大3億円以下の罰金。「ゲームだから軽い」は通用しない。
・射幸心をそそるおそれのある遊技設備で客に遊技をさせる営業=5号営業の許可が必要
・遊技設備の面積が客室の10%以下なら許可不要(10%ルール)。ただし面積計算は厳密に
・クレーンゲームの景品は小売価格おおむね1,000円以下まで。換金・買取りは違法
営業は深夜0時まで。18歳未満は22時以降立入不可。無許可営業は法人最大3億円の罰金。
5号営業とは — 対象になる設備・ならない設備
風営法の5号営業は、条文ではこう定義されています。「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗等で、客に遊技をさせる営業」。かみ砕くと、勝ち負けや点数がつき、ギャンブル的に使おうと思えば使える遊技設備を置いて客に遊ばせるなら5号、ということです。
- ビデオゲーム機(テレビ画面等で遊技させるものは原則対象)
- スロットマシン、ポーカーゲーム機などのカジノ系機器
- メダルゲーム機
- クレーンゲーム機(プライズ機)
- プリントシール機(プリクラ)
- カプセルトイ(ガチャガチャ)
- 乗り物型の子ども向け遊具など、射幸心と関係のないもの
ゲームセンターのほか、アミューズメントカジノ、カジノバー、ポーカーバーもこの5号営業に当たります。逆に、プリクラ機だけを置いた店なら5号の許可は不要です。
許可が不要になる「10%ルール」
「バーの一角にゲーム機を1台置きたい」「ホテルのロビーにゲームコーナーを作りたい」——こうしたケースの救済が、いわゆる10%ルールです。遊技設備の面積の合計が、客室面積の10%以下であれば、5号営業の許可なしでゲーム機を設置できます。施設の主目的が別にあって、ゲーム機はあくまで"おまけ"という位置づけなら許可までは求めない、という考え方です。
- ゲーム機の面積は機械そのものの投影面積ではなく、客が遊技するためのスペースを含めて数える。実務上は設置面積の3倍が目安
- 3倍しても1.5㎡に満たない場合は、1台あたり1.5㎡として計算する
- 客室面積は、客が実際に使う部分だけ(従業員専用部分は含まない)
この計算を誤って、実際には10%を超えていた——という場合、風俗営業の無許可営業として扱われるおそれがあります。罰則は非常に重いので、10%ルールで運用したい場合は、事前に管轄警察署か専門家に確認するのが安全です。
なお、深夜営業届のバーに10%ルールでゲーム機を置く場合も、使い方によっては「遊興」に当たって深夜0時以降は使えなくなるなど、別のルールとの兼ね合いが出てきます。ここも設計段階での確認をおすすめします。
クレーンゲームの景品は「おおむね1,000円以下」
5号営業には、営業を始めた後の重要ルールがあります。遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない(風営法23条2項)——つまり、原則として景品出しは禁止なのです。
「え、クレーンゲームは?」と思いますよね。クレーンゲームの景品は、警察庁の解釈運用基準によって、小売価格がおおむね1,000円以下のものを提供する場合は「遊技の結果に応じた賞品提供」に当たらない、と扱われています。
逆に言えば、次のような行為は違法です。
- 1,000円を超える景品(ゲーム機や高額フィギュアなど)をクレーンゲームに入れる
- 獲得した景品やメダルを店が買い取る・換金する(賭博開帳図利罪に問われるおそれ)
- メダルの持ち帰りや、遊技結果に応じたドリンク券・割引券の発行
とくにアミューズメントカジノでのチップ買取り・換金は、近年、摘発が相次いでいる分野です。「アミューズメント」と名乗っていても、換金した瞬間に賭博です。
営業時間・年少者・構造の基準
5号営業には、1号営業(キャバクラ等)と似た規制がありますが、数値が違うところがあるので注意してください。
- 営業時間:原則、深夜0時まで(条例により午前1時までの地域あり)
- 年少者の立入り:16歳未満は18時以降、保護者同伴が必要。18歳未満は22時以降、立入り不可。入場時の年齢確認の方法も審査で見られる
- 場所:用途地域の制限、学校・病院などの保護対象施設からの距離制限あり(1号と同様)
- 構造・設備:見通しを妨げる設備(原則高さ1m以上)不可/客室の照度は10ルクス以下にならないこと(1号の5ルクスとは基準値が違う)/客室出入口に施錠不可/紙幣を挿入できる遊技設備や、現金・有価証券を提供する装置のある遊技設備は設置不可
最後の「紙幣挿入機の禁止」は5号ならではのルールです。両替機は別として、ゲーム機そのものにお札を入れられる構造はNG。中古のゲーム機を輸入・購入するときに見落としがちなポイントです。
裏スロットや違法カジノといった話は、現職時代に直接携わることはなかったのですが、多くの話を耳にしていました。喫茶店の扉を開いたらスロット台がずらりと並んでいたとか、看板のないお店の扉を開くと、そこがカジノだったとか。
誰が見ても「違法だろうな」と分かる世界ですが、その違法性を規律しているのが、まさにこの風営法(5号営業)という訳です。
言わずもがな、ゲーム機は賭博と絡みやすい。それだけでなく、少年の恐喝の現場に選ばれることも多いんです。だからこそ警察が許可制で管理している——「ゲームだから緩い」のではなく、ゲームだからこそ、警察は厳しく見ている。そう理解しておいてください。
無許可営業の罰則は「法人最大3億円」
風営法の無許可営業の罰則は、近年の法改正で大幅に強化されました。
「ゲームだから大したことない」という感覚は、法律上まったく通用しません。とくにアミューズメントカジノは全国で摘発が続いており、10%ルールの計算ミスによる"うっかり無許可"も同じ土俵で扱われるおそれがあります。設備を置く前の確認が、何よりの防御です。
まとめ
- ゲームセンター・アミューズメントカジノ・カジノバーは5号営業。射幸心をそそるおそれのある遊技設備で客を遊ばせるなら風俗営業許可が必要。
- 10%ルール(遊技設備の面積が客室の10%以下)なら許可不要。ただし面積計算は「設置面積の3倍・最低1.5㎡」で厳密に。
- クレーンゲームの景品は小売価格おおむね1,000円以下(2022年改定)。換金・買取りは賭博。
- 営業は深夜0時まで。16歳未満は18時以降保護者同伴、18歳未満は22時以降立入不可。照度は10ルクス基準、紙幣挿入機はNG。
- 無許可営業は個人5年以下/1,000万円以下、法人最大3億円。設置前の確認がすべて。
「この機械を置いたら許可が要る?」「10%に収まっている?」——設備の線引きは個別判断の世界です。広島でゲーム機の設置・アミューズメント営業をお考えなら、購入や工事の前にお気軽にご相談ください。
よくある質問
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5号営業の許可が要るのか、10%ルールに収まるのか、景品の運用は適法か——元広島県警察官13年の行政書士が、設備購入や内装工事の前に判定します。広島でゲームセンター・アミューズメント営業をお考えなら、お気軽にご相談ください。