西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
横断INTERVIEW

【独立開業の方へ】
広島で水商売を始めるなら、警察申請はこの順番で

2026.06.05 語り手:西岡 祐也(元広島県警察官13年/行政書士)
西岡 祐也(にしおか ゆうや)
元広島県警察官として13年勤務後、行政書士に。風営法・深夜営業・古物商など警察申請を専門に、広島で夜のお店の開業を数多くサポートしている。
この記事のポイント

広島で「自分の店を持ちたい」とご相談に来られる方は、本当に多いです。バー、スナック、ガールズバー、キャバクラ——夢があって、私も応援したくなります。ただ、相談を受けていていつも思うのは、「安心な手続きの順番」を知らないまま物件を借りてしまう人が、あまりに多いということ。順番を間違えると、せっかく借りた物件で営業できなかったり、何か月も空家賃を払い続けたりすることになります。元警察官として申請を審査していた立場から、そして今、行政書士として開業をお手伝いする立場から、「広島で水商売を始めるなら、この順番で進めてください」という話をします。

まず大前提:これは「複数の役所をまたぐ」手続きです

水商売の開業でつまずく最大の理由は、関係する役所が一つではないことです。ざっくり、次の4つが関わってきます。

市役所
その場所で店をやっていいか(用途地域)の確認
保健所
飲食店営業許可(お酒・食べ物を出すなら必須)
消防署
防火対象物使用開始届・工事等計画届出(消防設備・避難経路の確認)
警察署
風俗営業の許可、または深夜営業の届出

これらが、それぞれ別のタイミング・別の窓口で必要になります。しかも順番がある。ここを知らずに「とりあえず良い物件があったから契約した」とやってしまうと、後から取り返しがつかなくなることがあるのです。

STEP 1いちばん最初は「業態を決める」こと

意外に思われるかもしれませんが、最初にやるべきは物件探しではなく、業態をはっきりさせることです。なぜなら、業態によって必要な警察手続きが根本から変わるからです。ざっくり、こう分かれます。

「接待をするのかしないのか」「深夜0時以降もやるのか」。この2つで、進む道が決まります。ここが曖昧なまま物件を探すと、後で「この物件ではその業態は無理」となりかねません。

STEP 2物件は「契約する前」に調べる

ここが、いちばん伝えたいところです。物件は、契約する前に「使えるかどうか」を調べてください。風俗営業の許可には、立地と建物に厳しい条件があります。

これらは、物件を契約してからでは手遅れです。契約して、内装に手を入れて、それから「ここでは許可が取れません」と分かったら——払った家賃も内装費も戻ってきません。だからこそ、良さそうな物件を見つけたら、契約する前に、その住所で許可が取れるかを確認する。これが鉄則です。私たちのような行政書士に「この物件、いけますか?」と相談いただければ、契約前に判定できます。

現場の話 元広島県警察官・西岡より

以前、最初は深夜営業届で営業を始めたコンカフェが、軌道に乗ったあとに接待ありの風営法許可へ切り替えた、というお客さんがいらっしゃいました。

深夜営業の届出と風営法の許可とでは、審査の厳しさがまるで違います。とくに構造・設備の基準は、許可のほうがはるかに細かい。このお客さんの場合は、切り替えのための工事の内容を、着手する前に私へ相談してくださったんです。おかげで、申請までの道筋をきれいに引くことができて、「相談しておいて本当に助かった」と言っていただけました。

逆に言えば、工事をしてから「この内装では許可が下りません」となると、作り直しです。順番を知っているかどうかで、かかるお金も時間もまったく変わってくるのです。

STEP 3保健所の「飲食店営業許可」と、消防の届出

業態が決まり、物件の目処が立ったら、次は保健所の飲食店営業許可です。お酒や食べ物を出す以上、これは業態を問わず必要になります。ポイントは、警察の手続きより先に、こちらを進めること。風俗営業許可も深夜営業届も、実務上、飲食店営業許可(またはその申請)とセットで扱われるからです。

飲食店営業許可には、前提として食品衛生責任者の資格が必要です(講習を受ければ取得できます)。また、保健所による店舗の構造・設備の検査があります。ここで通る内装にしておかないと、後の警察の構造検査でもつまずきます。

そして見落とされがちなのが、消防署への届出です。建物(テナント)を新たに使い始めるときは、使用を始める7日前までに「防火対象物使用開始届」を消防署へ提出します。内装工事を伴う場合は、着工の7日前までに「防火対象物工事等計画届出」もあわせて必要です。いずれも、間仕切りの位置で火災報知設備の増設が必要になったり、消火器の設置が求められたりと、内装の設計段階から関わってくるもの。工事が終わってからでは手戻りになるため、内装の打ち合わせと並行して消防署にも相談しておくのが安全です。

STEP 4警察の「許可」または「届出」

最後が警察です。ここで、STEP 1で決めた業態によって道が分かれます。

接待をするお店(キャバクラ・スナック等)→ 風俗営業許可

  • 管轄の警察署(生活安全課)へ風俗営業許可を申請
  • 公安委員会・浄化協会による構造・設備の実地検査がある
  • 申請から許可まで、標準で約55日
  • 営業時間は原則として深夜0時まで(地域により条例で午前1時までの緩和あり)

接待なしで深夜も営業(バー等)→ 深夜営業届

  • 管轄の警察署へ深夜酒類提供飲食店営業の届出
  • 届出が受理されてから10日後に深夜営業が可能
  • 構造検査は風俗営業ほど厳格ではないが、図面(求積図)の精度が重要

どちらに進むにせよ、警察手続きには時間がかかります。「来月オープン」と決めてから動き出すと、まず間に合いません。逆算して、早めに動くことが大切です。

開業までのタイムライン(まとめ)

水商売の開業は、こう進めるのが基本です。

業態を決める
接待の有無・深夜営業の有無。ここで進む道が決まる。
立地・物件を調べる ※契約前に!
用途地域・距離制限・構造。ここを飛ばすのが最大の失敗パターン。
物件契約
2で問題ないと確認できてから契約する。
飲食店営業許可・消防の届出
保健所(食品衛生責任者・構造検査)+消防(使用開始届・工事等計画届出は7日前まで)。内装と並行。
警察手続き
風俗営業許可=約55日/深夜営業届=受理10日後。
オープン
この順番を守れば、空家賃も手戻りも防げる。

最後に

開業は、勢いも大事です。でも、勢いで物件を借りる前に、一本だけ確認の電話を入れてほしい。「この場所で、この業態は、いけますか?」と。それだけで、防げる失敗がたくさんあります。

行政書士に聞くのは抵抗がある、という方は、警察署に直接たずねても答えてくれるはずです。大切なのは、契約や工事の前に確認すること。その一手間が、お金と時間を守ります。

広島で水商売の開業をお考えなら、物件を決める前の段階から、ぜひご相談ください。元警察官として申請を見てきた経験を活かして、あなたの開業を最短ルートで形にします。

よくある質問

Q水商売の開業で、いちばん最初にやるべきことは何ですか?
A物件の契約ではなく、「業態を決めること」と「その場所で営業できるかを調べること」です。接待をするか、深夜0時以降も営業するかで必要な警察手続きが変わり、用途地域や保護対象施設からの距離制限で営業できない場所もあります。物件を契約してから許可が取れないと分かると、家賃や内装費が無駄になるため、契約前の確認が肝心です。
Q保健所・消防署・警察、どの手続きが先ですか?
A先に保健所の飲食店営業許可を進めます。お酒や食べ物を出す以上、業態を問わず飲食店営業許可が必要で、警察の風俗営業許可・深夜営業届は実務上これとセットで扱われます。あわせて、消防署への防火対象物使用開始届(工事を伴う場合は工事等計画届出)も必要で、内装工事の段取りと並行して進めます。
Q開業までにどのくらいの期間を見ておくべきですか?
A業態によります。接待をするお店(風俗営業許可)は申請から許可まで標準で約55日、接待なしで深夜も営業するバー等(深夜営業届)は届出が受理されてから10日後に営業可能です。いずれも飲食店営業許可、消防の届出、物件・内装の準備期間が別に必要なので、オープン希望日から十分に逆算して動くことをおすすめします。
「この物件で、この業態はいけますか?」
その一本が、開業の失敗を防ぎます

元広島県警察官13年の行政書士が、業態選びから物件チェック、保健所・消防・警察の手続きまで、開業の段取りを丸ごとサポートします。広島で水商売の開業をお考えなら、物件を決める前にご相談ください。

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