【独立開業の方へ】
広島で水商売を始めるなら、警察申請はこの順番で
元広島県警察官として13年勤務後、行政書士に。風営法・深夜営業・古物商など警察申請を専門に、広島で夜のお店の開業を数多くサポートしている。
- 水商売の開業は、複数の役所(市役所・保健所・消防署・警察)をまたぐ。順番を間違えると、空家賃と手戻りが発生する。
- 最初にやるのは物件の契約ではなく、出店予定地の「用途地域・距離制限・構造の確認」。契約してからでは遅い。
- 大きな流れは①業態を決める → ②立地・物件を調べる → ③飲食店営業許可(保健所)・消防の届出 → ④警察の許可・届出。
- 業態で警察手続きが分かれる:接待あり(キャバ・スナック等)=風俗営業許可(申請から約55日・深夜0時まで)/接待なしで深夜も酒類提供(バー等)=深夜営業届(受理10日後から)。
- いちばんの失敗は「物件を借りてから許可が下りないと分かる」こと。先に調べれば防げる。
広島で「自分の店を持ちたい」とご相談に来られる方は、本当に多いです。バー、スナック、ガールズバー、キャバクラ——夢があって、私も応援したくなります。ただ、相談を受けていていつも思うのは、「安心な手続きの順番」を知らないまま物件を借りてしまう人が、あまりに多いということ。順番を間違えると、せっかく借りた物件で営業できなかったり、何か月も空家賃を払い続けたりすることになります。元警察官として申請を審査していた立場から、そして今、行政書士として開業をお手伝いする立場から、「広島で水商売を始めるなら、この順番で進めてください」という話をします。
まず大前提:これは「複数の役所をまたぐ」手続きです
水商売の開業でつまずく最大の理由は、関係する役所が一つではないことです。ざっくり、次の4つが関わってきます。
これらが、それぞれ別のタイミング・別の窓口で必要になります。しかも順番がある。ここを知らずに「とりあえず良い物件があったから契約した」とやってしまうと、後から取り返しがつかなくなることがあるのです。
STEP 1いちばん最初は「業態を決める」こと
意外に思われるかもしれませんが、最初にやるべきは物件探しではなく、業態をはっきりさせることです。なぜなら、業態によって必要な警察手続きが根本から変わるからです。ざっくり、こう分かれます。
- お客さんに「接待」をする(隣に座って継続的に話す、お酌をして盛り上げる等)→ キャバクラ・スナック・ラウンジなど → 風俗営業許可が必要
- 接待はしないが、深夜0時以降もお酒を出す(普通のバー、ショットバー等)→ 深夜営業届が必要
- 接待もせず、深夜0時前に閉める → 警察の許可・届出は原則不要(飲食店営業許可だけ)
「接待をするのかしないのか」「深夜0時以降もやるのか」。この2つで、進む道が決まります。ここが曖昧なまま物件を探すと、後で「この物件ではその業態は無理」となりかねません。
STEP 2物件は「契約する前」に調べる
ここが、いちばん伝えたいところです。物件は、契約する前に「使えるかどうか」を調べてください。風俗営業の許可には、立地と建物に厳しい条件があります。
- 用途地域:商業地域などでないと営業できない。住居系の地域は原則NG
- 距離制限:学校・病院・図書館などの保護対象施設から一定距離(広島県の条例で定められた距離)が必要
- 構造・設備:客室の広さ、見通し、照度など、細かい基準がある
これらは、物件を契約してからでは手遅れです。契約して、内装に手を入れて、それから「ここでは許可が取れません」と分かったら——払った家賃も内装費も戻ってきません。だからこそ、良さそうな物件を見つけたら、契約する前に、その住所で許可が取れるかを確認する。これが鉄則です。私たちのような行政書士に「この物件、いけますか?」と相談いただければ、契約前に判定できます。
以前、最初は深夜営業届で営業を始めたコンカフェが、軌道に乗ったあとに接待ありの風営法許可へ切り替えた、というお客さんがいらっしゃいました。
深夜営業の届出と風営法の許可とでは、審査の厳しさがまるで違います。とくに構造・設備の基準は、許可のほうがはるかに細かい。このお客さんの場合は、切り替えのための工事の内容を、着手する前に私へ相談してくださったんです。おかげで、申請までの道筋をきれいに引くことができて、「相談しておいて本当に助かった」と言っていただけました。
逆に言えば、工事をしてから「この内装では許可が下りません」となると、作り直しです。順番を知っているかどうかで、かかるお金も時間もまったく変わってくるのです。
STEP 3保健所の「飲食店営業許可」と、消防の届出
業態が決まり、物件の目処が立ったら、次は保健所の飲食店営業許可です。お酒や食べ物を出す以上、これは業態を問わず必要になります。ポイントは、警察の手続きより先に、こちらを進めること。風俗営業許可も深夜営業届も、実務上、飲食店営業許可(またはその申請)とセットで扱われるからです。
飲食店営業許可には、前提として食品衛生責任者の資格が必要です(講習を受ければ取得できます)。また、保健所による店舗の構造・設備の検査があります。ここで通る内装にしておかないと、後の警察の構造検査でもつまずきます。
そして見落とされがちなのが、消防署への届出です。建物(テナント)を新たに使い始めるときは、使用を始める7日前までに「防火対象物使用開始届」を消防署へ提出します。内装工事を伴う場合は、着工の7日前までに「防火対象物工事等計画届出」もあわせて必要です。いずれも、間仕切りの位置で火災報知設備の増設が必要になったり、消火器の設置が求められたりと、内装の設計段階から関わってくるもの。工事が終わってからでは手戻りになるため、内装の打ち合わせと並行して消防署にも相談しておくのが安全です。
STEP 4警察の「許可」または「届出」
最後が警察です。ここで、STEP 1で決めた業態によって道が分かれます。
接待をするお店(キャバクラ・スナック等)→ 風俗営業許可
- 管轄の警察署(生活安全課)へ風俗営業許可を申請
- 公安委員会・浄化協会による構造・設備の実地検査がある
- 申請から許可まで、標準で約55日
- 営業時間は原則として深夜0時まで(地域により条例で午前1時までの緩和あり)
接待なしで深夜も営業(バー等)→ 深夜営業届
- 管轄の警察署へ深夜酒類提供飲食店営業の届出
- 届出が受理されてから10日後に深夜営業が可能
- 構造検査は風俗営業ほど厳格ではないが、図面(求積図)の精度が重要
どちらに進むにせよ、警察手続きには時間がかかります。「来月オープン」と決めてから動き出すと、まず間に合いません。逆算して、早めに動くことが大切です。
開業までのタイムライン(まとめ)
水商売の開業は、こう進めるのが基本です。
最後に
開業は、勢いも大事です。でも、勢いで物件を借りる前に、一本だけ確認の電話を入れてほしい。「この場所で、この業態は、いけますか?」と。それだけで、防げる失敗がたくさんあります。
行政書士に聞くのは抵抗がある、という方は、警察署に直接たずねても答えてくれるはずです。大切なのは、契約や工事の前に確認すること。その一手間が、お金と時間を守ります。
広島で水商売の開業をお考えなら、物件を決める前の段階から、ぜひご相談ください。元警察官として申請を見てきた経験を活かして、あなたの開業を最短ルートで形にします。
よくある質問
その一本が、開業の失敗を防ぎます
元広島県警察官13年の行政書士が、業態選びから物件チェック、保健所・消防・警察の手続きまで、開業の段取りを丸ごとサポートします。広島で水商売の開業をお考えなら、物件を決める前にご相談ください。