広島で警備業を始めるには?
認定申請の要件・費用・流れを解説
広島で警備会社を立ち上げたい——そのとき最初の関門になるのが、公安委員会の認定です。警備業は、認定を受けずに始めることはできません。そして「会社を作れば始められる」わけでもなく、人(警備員指導教育責任者)の要件が実質的なハードルになります。この記事では、警備業の4区分、認定の要件と欠格事由、費用と期間、申請の流れ、そして認定後に必要な義務まで、広島でこれから警備業を始める方に向けて、元広島県警察官の行政書士が整理します。
- 警備業を営むには公安委員会の「認定」が必要("許可"ではなく認定)。主たる営業所を管轄する警察署に申請する。
- 手数料は23,000円程度、標準処理期間は約40日、認定証の有効期間は5年。
- 業務は4区分(施設/交通誘導・雑踏/運搬/身辺)。取り扱う区分ごとに要件が変わる。
- 実質の関門は警備員指導教育責任者の確保(営業所ごと・区分ごとに選任・常駐)。
警備業は「許可」ではなく「認定」
警備業を営もうとする者は、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません(警備業法)。「許可」と呼ばれることが多いのですが、正確には認定です。
- 申請先:主たる営業所を管轄する警察署(生活安全課)経由で公安委員会へ
- 主たる営業所で認定を受ければ、他県で改めて認定を受ける必要はない(他県に営業所を設ける場合は、その県の公安委員会へ届出)
- 無認定で警備業を営むことはできません
警備業の4区分
警備業務は、警備業法で4つに区分されています。取り扱う区分ごとに要件(指導教育責任者)が変わります。
| 区分 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1号 | 施設警備業務 | 施設・商業施設・住宅・駐車場などの盗難・事故防止(常駐・巡回・保安) |
| 2号 | 交通誘導・雑踏警備業務 | 工事現場の交通誘導、イベント・祭りの雑踏警備 |
| 3号 | 運搬警備業務 | 現金・貴金属・美術品など貴重品の運搬 |
| 4号 | 身辺警備業務 | 人の身体に対する危害の防止(ボディーガード) |
広島で需要が大きいのは、工事・イベントに伴う2号(交通誘導・雑踏)です。
最大の関門:警備員指導教育責任者
警備業の認定で実務上いちばんの壁になるのが、この警備員指導教育責任者です。
- 営業所ごと、かつ取り扱う警備業務の区分ごとに選任し、営業所に常駐させる必要があります
- 資格者証が必要で、取得には警備員指導教育責任者講習を受講し、修了考査に合格しなければなりません
- 講習は誰でも受講できるわけではなく、一定の警備業務経験や検定合格などの受講資格が必要です
つまり「認定の書類がそろうか」よりも、区分ごとに有資格者を確保できるかが、開業できるかどうかを左右します。1人が複数区分の資格者証を持っていれば、その1名の選任で足ります。
欠格事由(警備業法第3条)
次のいずれかに当てはまると、認定を受けられません(対象は法人の役員・個人事業主・指導教育責任者など)。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑、または警備業法違反等の罰金の刑を受け、執行終了等から5年を経過しない者
- 暴力団関係者、暴力団の影響下にある者
- アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒者
- 心身の障害により警備業務を適正に行えない者(国家公安委員会規則で定めるもの)
- 成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
- 営業所・区分ごとに指導教育責任者を選任できない者 など
費用・窓口・期間
- 手数料:認定申請 23,000円程度(広島県証紙。※金額は改定されることがあるため申請前に確認)
- 窓口:主たる営業所を管轄する警察署(生活安全課)
- 標準処理期間:受理から約40日で認定/不認定が通知される
- 有効期間:認定証は5年。継続するには期間満了前に更新手続きが必要
申請の流れ
- 区分の決定と人の確保:行う警備業務の区分を決め、区分ごとに警備員指導教育責任者を確保する(ここが最重要)
- 書類の準備:認定申請書+役員・指導教育責任者の欠格に関する書類、誓約書などを準備
- 警察署へ申請:主たる営業所を管轄する警察署へ提出
- 審査・認定証の交付:約40日で認定。認定後は標識を掲示して営業開始
必要書類(主なもの)
- 認定申請書
- 定款・登記事項証明書(法人の場合)
- 役員・指導教育責任者の住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・診断書
- 欠格事由に該当しない旨の誓約書
- 警備員指導教育責任者資格者証の写し
- (個人の場合)本人に関する上記書類
認定を受けた後の義務
- 標識の掲示:認定内容を記した標識を営業所・ウェブサイトに掲示
- 各種届出:営業所の新設・変更、役員変更などは届出が必要
- 機械警備業務を行う場合:業務開始日の前日までに、別途「機械警備業務開始届出」
- 更新:有効期間5年。満了前に更新手続き
警備業の相談で、私が最初に必ず確認するのは「指導教育責任者は確保できていますか」という点です。認定の書類自体は、揃えることができれば通ります。本当のハードルは、そこではなく、区分ごとに有資格者を営業所に常駐させる——この要件が用意できずに諦めてしまう方が少なくありません。
特に2号(交通誘導・雑踏)は広島でも需要が大きいのですが、有資格者の確保と育成が追いつかないと、仕事があっても受けられません。だから私は、書類の前に「人と区分の設計」から一緒に考えます。順番はいつも、人が先、書類が後です。
よくある質問
警備業を始めるには、広島県公安委員会の認定(許可ではなく認定)が必要です。手数料は23,000円程度、標準処理は約40日、有効期間は5年。
書類より先に決まるのが、区分ごとの警備員指導教育責任者を確保できるかどうか。開業の成否は「人と区分の設計」で決まります。
元警察官の行政書士へ
「区分をどうするか」「指導教育責任者をどう確保するか」——警備業の開業は、書類より先に体制の設計が肝心です。区分と人の設計から、欠格の確認、認定申請、認定後の届出まで、取り締まる側にいた元広島県警察官13年の行政書士がまとめてサポートします。