西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
風営法

コンセプトカフェ・メイドカフェは風営法対象?
接待の線引きと最新の注意点

2026.06.15 監修:西岡 祐也(元広島県警察官13年/行政書士)

メイドカフェ、執事カフェ、アニメやゲームの世界観を再現したお店、男装・女装のコンカフェ——特定のコンセプトで世界観を楽しませる「コンセプトカフェ(コンカフェ)」は、いまや広島でも珍しくありません。多くの経営者が「うちはカフェだから、風営法は関係ない」と考えがちです。ですが、これはとても危険な思い込みです。コンカフェが風営法の対象になるかどうかは、店の名前やコンセプトではなく、実際にどんな接客をしているかで決まります。そして近年、「カフェ」のつもりだったお店が無許可営業として摘発される事例が全国で急増しています。

この記事のポイント
結論

・コンカフェが風営法対象かは「接客内容」で決まる(コンセプトは無関係)

・接待をするなら、メイドカフェでも風俗営業許可(1号)が必要

・チェキ・一緒にゲーム・特定客への継続的な会話は「接待」に当たりやすい

・2025年に罰則強化:無許可営業は個人5年以下/1,000万円、法人最大3億円

18歳未満の雇用は児童福祉法違反も。近年、摘発が急増している。

「うちはカフェだから風営法は関係ない」——その思い込みが危ない

この記事では、コンカフェのどんなサービスが「接待」に当たり許可が必要になるのか、その線引きと、2025年に強化された罰則、摘発を避けるためのポイントを整理します。

コンカフェは3つの区分に分かれる

まず、コンカフェは接客と営業時間によって、必要な手続きが3つに分かれます。自店がどれに当たるかを、開業前に見極めることが第一歩です。

営業スタイル必要な手続き
接待なし・深夜0時まで飲食店営業許可のみ
接待なし・深夜0時以降も酒類を提供飲食店営業許可 + 深夜営業届
接待あり飲食店営業許可 + 風俗営業許可(1号)

ポイントは2つ。「接待をするか」「深夜0時以降に酒類を出すか」です。このうち、判断がいちばん難しく、かつ摘発に直結するのが「接待」です。

どこからが「接待」なのか — コンカフェ固有の論点

風営法上の「接待」とは、特定少数の客に対して、継続的・歓楽的にもてなす行為を指します(警察庁の解釈運用基準)。抽象的なので、コンカフェでよくあるサービスに当てはめて見ていきましょう。

接待に「当たりやすい」サービス
  • 特定の客への、つきっきりの継続会話:カウンター越しであっても、一人のキャストが特定の客の前に立ち止まり、5分・10分と世間話や趣味の話を続ければ、接待と判断されやすくなります。「カウンター越しなら大丈夫」という思い込みは危険です
  • 一緒に遊ぶ:客とトランプ・ボードゲーム・ダーツ・カラオケなどを一緒に楽しむ行為は、ほぼ確実に接待に当たります
  • 密着型のチェキ撮影:チェキ(写真)撮影自体が直ちにアウトではありませんが、腕を組む・密着する・ポーズを細かく指定して時間をかける・撮影に会話がセットになる、といった形は、身体的接触と時間的継続の両面から接待と判断されやすくなります
接待に「当たりにくい」サービス
  • 短時間で事務的な応対(注文取り・配膳・会計)
  • 特定の客に固定されず、店内全体に均等に行う接客
  • 機械的で短時間のチェキ撮影(会話や密着を伴わないもの)
つまり、「特定の客に」「継続して」「歓楽的にもてなす」の3要素がそろうほど、接待に近づくということ。同じチェキでも、事務的にサッと撮るのか、密着して長時間かけるのかで、評価は変わります。
現場の話 元広島県警察官・西岡より

よく、「カウンター越しに接客するのなら問題ないですよね?」というご相談を受けます。しかし、先ほど見たとおり、そうとも言い切れません。もちろん、隣に座ってお酌をしたりするよりは、はるかに接待の色は薄れるかとは思いますが……。

経営者の方々が、いろいろなことを頑張って考えていらっしゃるのは、よく分かります。そのうえで、その商売を続けていくのであれば、私は風営法許可の取得をお勧めします。単に、自分がその代行申請を仕事にしているから、儲けたいから言っているわけではありません。

ここ数年の検挙の動きが、なかなか激しいのです。今までは見逃されていたようなことが、見逃されなくなっている——これは間違いありません。だからこそ、お勧めしています。

2025年、罰則が大幅に強化された

コンカフェの無許可営業は、以前から摘発されていましたが、2025年6月に施行された改正風営法で、罰則が大幅に引き上げられました

改正前改正後(2025年6月〜)
個人2年以下の懲役 または 200万円以下の罰金5年以下の拘禁刑 または 1,000万円以下の罰金
法人(同上)最大3億円以下の罰金

罰金は個人で5倍、法人にいたっては桁違いの3億円まで引き上げられました。「バレなければいい」「グレーで様子を見よう」という発想が、いかにハイリスクかが分かります。実際、法改正後も無許可のコンカフェ摘発は各地で続いています。

見落とせない「年少者」のリスク

コンカフェでもう一つ重大なのが、18歳未満・20歳未満に関するルールです。

!年齢に関する3つの禁止
  • 18歳未満を働かせると、風営法違反に加え、児童福祉法違反にも問われる可能性があります。実際、コンカフェで未成年を接客させていた経営者が逮捕された事例が複数あります
  • 20歳未満への酒類提供も法律違反です
  • 深夜(22時以降)に18歳未満を働かせることも禁止されています

「求人しやすいから」と年齢確認を怠ると、店の存続に関わる事態になりかねません。採用時の年齢確認と、身分証による記録は徹底してください。

摘発を避けるために — 開業前が勝負

コンカフェで最も大切なのは、「接待が必要なコンセプトなら、開業前に風俗営業許可を取っておく」ことです。

風俗営業許可は、取得できる場所(用途地域・保護対象施設からの距離)と構造(見通し・照度など)が限定されます。営業を始めてから「やっぱり接待が必要」となっても、その物件では許可が取れない、というケースは珍しくありません。だからこそ、コンセプトとサービス内容を設計する段階で、「これは接待に当たるか」を見極めておくことが重要です。

迷ったときは、自己判断で「グレーだけど大丈夫だろう」と進めないこと。接待に当たるかどうかの最終判断は警察が行います。開業前に、警察署か専門家に相談して白黒つけておくのが、いちばん安全で、結局いちばん早い道です。

コンプライアンスを守るには、
「グレー」という言葉を
「黒ではない」ではなく「色がついている」
という意味にとることが重要です。

まとめ

「うちのサービスは接待に当たる?」「このコンセプトで許可は取れる物件?」——コンカフェの区分判断は、開業の成否を分けます。広島でコンカフェ・メイドカフェの開業をお考えなら、物件を決める前にご相談ください。

よくある質問

Qメイドカフェも風営法の許可が必要ですか?
A接客内容によります。メイドの衣装で注文取りや配膳をするだけ、店内全体に均等な接客をするだけであれば、飲食店営業許可(深夜に酒類を出すなら深夜営業届も)で営業できます。一方、特定の客につきっきりで継続的に会話したり、一緒にゲームをしたり、密着型のチェキ撮影をするなど「接待」に当たる接客をするなら、風俗営業許可(1号)が必要です。コンセプトではなく、実際の接客内容で判断されます。
Qチェキ撮影は接待になりますか?
A撮影の仕方によります。事務的に短時間で撮るだけなら接待に当たりにくいですが、腕を組む・密着する・ポーズを細かく指定して時間をかける、撮影に長い会話がセットになる、といった形は、身体的接触と時間的継続の面から接待と判断されやすくなります。「チェキ=即アウト」ではありませんが、やり方次第でグレーからアウトに傾くため、注意が必要です。
Q無許可でコンカフェを営業すると、どうなりますか?
A接待をしているのに風俗営業許可を受けていない場合、無許可営業として摘発の対象になります。2025年6月の法改正で罰則が強化され、個人は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、法人は最大3億円以下の罰金となりました。さらに18歳未満を働かせていた場合は児童福祉法違反にも問われる可能性があります。近年、コンカフェの摘発は各地で急増しています。
「うちは大丈夫だろう」の
自己判断がいちばん危険です

コンカフェは「カフェ」の名前とは裏腹に、接客内容ひとつで風営法の世界に足を踏み入れます。しかも罰則は2025年に大幅強化。元広島県警察官13年の行政書士が、あなたのお店のサービスが接待に当たるか、どの区分で開業すべきかを、物件選びの前に見極めます。広島でコンカフェ・メイドカフェをお考えなら、お気軽にご相談ください。

💬 LINEで相談