西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
風営法

風営法の構造設備基準|
内装工事前にチェックすべき7項目

2026.06.06 監修:西岡 祐也(元広島県警察官13年/行政書士)

風俗営業の開業でいちばんもったいないのが、内装を作り込んでから「この内装では許可が下りません」と分かることです。風営法の構造設備基準は、「店内が見通せること」「暗すぎないこと」など、お洒落で雰囲気のある内装とは、ときに正反対の要求をしてきます。デザイナーや内装業者が風営法に詳しいとは限らないので、こだわって作ったぶんだけ、後で直す費用も大きくなります。この記事では、内装工事を発注する前に、オーナー自身がチェックすべき7項目を挙げます。

この記事のポイント
結論

風俗営業の内装は「工事してからでは直せない」項目が多い。発注前に次の7つを確認。

①見通し ②1m超の間仕切り ③調光器 ④客室の鍵 ⑤床面積 ⑥照度5ルクス ⑦風俗を害する装飾

とくに調光器と1m超の仕切りは要注意。迷う設計は、工事前に専門家へ。

工事前にチェックすべき7項目

1
客室が「外から見通せる」構造になっているか
風営法では、客室の内部が外から容易に見通せることが求められます。「隠れ家的な個室」「奥まった見えない席」は、まさにこの基準に引っかかります。間取りの段階で、入口や通路から客席が見える配置になっているかを確認してください。
2
「1メートルを超える間仕切り」を作っていないか高くつく
客室の中に、見通しを妨げる高さ1メートル超の間仕切り・パーテーションを設けると基準違反です。背の高いソファの背もたれ、グラス棚、スタンドライト、観葉植物なども、見通しを妨げれば該当します。「席ごとに区切って特別感を出したい」という設計は、ここで許されないことになります。1メートル以下に抑える前提で家具・什器を選んでください。
3
「調光器(スライダックス)」を付けていないか高くつく
これは見落としが多く、しかも高くつきます。明るさを自由に絞れる調光器(スライダックス)は、設置されているだけで不許可となる自治体もあります。照度が基準を満たしていても、「暗くできる設備がある」こと自体が認められません。「ムードを出すために調光を入れたい」という要望はよくありますが、風俗営業では調光器は使わないほうが無難です。付けてしまった上で不許可となると、撤去・配線のやり直しになります。
4
客室の出入口に「鍵」を付けていないか
客室の出入口に施錠設備(鍵)を設けてはいけません。VIPルームや個室を作る場合でも、その扉に鍵を付けるとアウトです(店の外に直接通じる出入口のドアは除く)。「個室に鍵があると安心」という発想で付けてしまうと、後から外す工事になります。
5
客室の床面積は足りているか
客室を複数設ける場合、1室あたりの床面積は16.5平方メートル以上が必要です(和室の場合は9.5平方メートル以上)。ただし、客室が1室のみの場合はこの面積制限はありません。「小さな個室をいくつも作る」設計は、各部屋がこの面積を満たせず行き詰まりがちです。部屋を区切る前に、面積が確保できるかを必ず確認してください。
6
照度(明るさ)が5ルクス以上を保てるか
営業所内の照度が5ルクス以下にならない構造・設備であることが必要です。間接照明中心の暗めの設計だと、ここを下回るおそれがあります。雰囲気と明るさのバランスは、照明計画の段階で詰めておくべきポイントです。
7
風俗を害する「装飾・広告物」がないか
善良の風俗や清浄な風俗環境を害するおそれのある写真・広告物・装飾を設けてはいけません。たとえば露出度の高いポスターなどが該当します。内装のアートワークやディスプレイも、この観点でチェックしておきましょう。
現場の話 元広島県警察官・西岡より

私が警察署に風営法の許可申請をしに行ったとき、すぐ隣で、同じように申請を出している別の行政書士の方がいらっしゃいました。

ところがその方は、その日は提出に至りませんでした。理由は、内装に「認められない壁」があったから。見通しを妨げる壁が、申請の段階で引っかかってしまったのです。

専門家である行政書士でさえ、内装でつまずくことがある。それくらい、構造設備の基準はシビアなんです。だからこそ、壁を立てる前、工事を発注する前に確認しておく——これに尽きます。

なぜ「見通し」や「明るさ」が求められるのか

「お洒落な隠れ家にしたいのに、なぜ見通しや明るさを求められるのか」——疑問に思う方もいます。これは、風営法が店内で不適切な行為(違法な接待など)が行われないよう、外から、あるいは店内の誰からも様子が分かる状態を保つことを目的としているからです。暗くて見えない、区切られて見えない、鍵がかかって入れない——そういう空間は、風営法がもっとも警戒する状態なのです。

だから、「雰囲気のある内装」と「風営法の基準」は、しばしばぶつかります。両立させるには、設計の最初から基準を織り込んでおくしかありません。

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各基準の具体的な数値や、それを申請図面(求積図)にどう落とし込むかは、別記事で詳しく解説しています。→ 風俗営業許可の構造設備基準|図面に落とすべき数値と確認方法

まとめ

内装業者との打ち合わせに入る前、あるいは図面が固まる前に、一度チェックしておくだけで、数十万円規模の手戻りを防げます。広島で風俗営業の開業をお考えなら、内装の設計段階からご相談ください。

よくある質問

Q内装を作ってしまった後でも、風営法の許可は取れますか?
A基準を満たしていれば取れますが、満たしていない場合は内装の手直しが必要です。とくに調光器の撤去や、高さ1メートルを超える間仕切りの作り直し、客室の鍵の撤去などは、工事のやり直しになり費用がかさみます。だからこそ、内装を発注する前に基準を確認しておくことが大切です。
Q間接照明で暗めのお洒落な内装にしたいのですが、可能ですか?
A営業所内の照度が5ルクス以下にならないことが条件です。雰囲気のある照明計画自体は可能ですが、暗すぎると基準を下回ります。また、明るさを自由に絞れる調光器(スライダックス)は、設置自体が認められない場合があります。照明は計画段階で基準を織り込む必要があります。
QVIPルームや個室に鍵を付けてもいいですか?
Aいいえ。客室の出入口に施錠設備(鍵)を設けることはできません。個室やVIPルームの扉も同様で、鍵を付けるとアウトです(店の外に直接通じる出入口のドアは除きます)。設計の段階で、客室内の扉に施錠機能を持たせないようにしてください。
「この内装プラン、風営法的に大丈夫?」
確認は工事を発注する前に

元広島県警察官13年の行政書士が、内装の設計段階から基準適合をチェックし、手戻りのない開業をサポートします。広島で風俗営業の開業をお考えなら、図面が固まる前にご相談ください。

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