行政書士・司法書士・弁護士は
どう違う?許認可は誰に頼む?
「開業するのに、行政書士・司法書士・弁護士——結局どこに頼めばいいの?」名前は似ていても、この3つの士業はできること(独占業務)が法律で分かれています。この記事では、3士業の役割を独占業務から整理し、会社設立・相続・農地売買・飲食店やお店の開業など、ケース別に「誰に頼むのが正解か」を、元広島県警察官の行政書士がわかりやすく解説します。
- 官公署への許認可申請は行政書士、不動産・会社の登記は司法書士、訴訟・紛争の解決は弁護士。
- 会社設立は、定款作成は行政書士・司法書士どちらも可、設立登記は司法書士、営業の許認可は行政書士。
- 紛争性のない手続きは行政書士・司法書士、争いごとになったら弁護士。
- 迷ったら「登記か・許認可か・紛争か」で判断する。
一言でいうと(3士業の役割)
| 士業 | 主な独占業務 | ざっくり言うと |
|---|---|---|
| 行政書士 | 官公署への許認可申請、権利義務・事実証明の書類作成(行政書士法1条の2) | 「役所に出す許認可」の専門家 |
| 司法書士 | 不動産・会社の登記申請の代理(司法書士法3条) | 「法務局の登記」の専門家 |
| 弁護士 | 訴訟代理を含む法律事務全般 | 「紛争・裁判」の専門家 |
紛争性のない手続きは行政書士・司法書士、争いごとになったら弁護士——これが大きな分かれ目です。
行政書士=許認可・官公署への申請
行政書士は、官公署(役所・警察・保健所など)に提出する許認可申請の書類作成と提出代行を独占業務とします(行政書士法1条の2)。契約書・遺言書など、権利義務・事実証明に関する書類の作成も担います。
広島の例では、風営法(風俗営業許可)、古物商許可、道路使用許可、警備業の認定、建設業許可、農地転用、飲食店営業許可などが行政書士の領域です。「役所への申請でお店や事業を始める」なら、まず行政書士です。
司法書士=登記(法務局)
司法書士は、法務局への登記申請の代理を独占業務とします(司法書士法3条)。
- 不動産の登記(相続・売買による名義変更など)
- 会社の登記(設立登記・役員変更・本店移転など)
- 供託の手続き
登記は司法書士の独占業務で、資格のない者が代理すると罰則の対象です。なお、認定司法書士は、140万円以下の簡易裁判所の訴訟代理ができます。
弁護士=紛争・訴訟
弁護士は、訴訟代理を含む法律事務全般を扱えます。相手方との交渉、調停、裁判——争いごと(紛争性のある案件)は弁護士の領域です。
行政書士・司法書士は、紛争性のある案件の代理はできません。「話し合いがこじれた」「相手と争いになった」という段階になったら、弁護士に相談します。
ケース別・誰に頼む?
| やりたいこと | 主な依頼先 |
|---|---|
| 許認可(風営法・建設業・古物商・農地転用など) | 行政書士 |
| 会社の設立登記・役員変更登記 | 司法書士 |
| 不動産の名義変更(相続・売買の登記) | 司法書士 |
| 契約書・遺言書などの書類作成(争いなし) | 行政書士 |
| 訴訟・調停・相手方との交渉(争いあり) | 弁護士 |
| 会社設立+営業許認可(例:建設業・飲食業) | 行政書士+司法書士 |
会社設立では、定款の作成は行政書士・司法書士のどちらも可能ですが、設立登記は司法書士、営業の許認可は行政書士——と役割が分かれます。許認可が必要な業種なら、両方に対応できる体制で進めるとスムーズです。
迷ったときの判断
次の順で考えると、依頼先がはっきりします。
- 相手と争っているか? → はい:弁護士
- 登記(不動産・会社の名義)が必要か? → はい:司法書士
- 役所への許認可・届出でお店や事業を始めるか? → はい:行政書士
多くの開業・許認可の相談は、まず行政書士が入口になり、登記が絡めば司法書士、争いが生じれば弁護士へつなぐ——という流れになります。
私が扱う警察窓口系——風営法や古物商、道路使用、警備業——は、まさに「役所への許認可」で、行政書士の領域です。ただ、実務では一人で完結しないこともあります。たとえば法人でお店を始めるなら会社の設立登記が要る。そこは司法書士の仕事です。相続で不動産が絡めば司法書士、話がこじれて争いになれば弁護士。
だから私は、自分の領域はしっかりやり切ったうえで、登記や紛争が出てきたら、信頼できる司法書士や弁護士におつなぎします。依頼主様が一番良い形になれるように考えますと、それが一番なのです。
よくある質問
行政書士は許認可(役所への申請)、司法書士は登記(法務局)、弁護士は紛争・訴訟——独占業務で役割が分かれています。迷ったら「争いか・登記か・許認可か」で判断を。
開業や許認可の相談は行政書士が入口になり、登記は司法書士、争いは弁護士へつなぐのが基本の流れです。
元警察官の行政書士へ
許認可なら行政書士の出番です。広島の警察窓口系(風営法・古物商・道路使用・警備業)を中心に、登記が絡めば信頼できる司法書士へ、争いになれば弁護士へ——取り締まる側にいた元広島県警察官13年の行政書士が、あなたの案件を最後までちゃんと形にします。