「メルカリで中古品を売るのに許可が必要?」「リサイクルショップを開くには何から始めればいい?」「古物商許可の書類って何が要るの?」——古物商許可についての問い合わせは、風営法と並んで当事務所で最も多い相談カテゴリです。
古物商許可は、古物営業法に基づき、中古品(古物)の売買・交換・委託販売を業として行う場合に必要な許可です。フリマアプリで定期的に仕入れ・転売している場合も対象になる可能性があります。
古物商許可の申請先は営業所を管轄する警察署、手数料は19,000円、標準処理期間は40日。必要書類は住民票・身分証明書(本籍地の市区町村役場発行)・略歴書・誓約書など。法人の場合は役員全員分が必要。ネット販売を行う場合はURLの届出も必要。広島市内の申請先は中央署・東署・南署・西署・安佐南署・佐伯署・海田署のいずれか。
古物商許可は「業として」中古品を売買する場合に必要。申請は営業所の管轄警察署へ。最大のつまずきポイントは「身分証明書は本籍地の役場で取る」という点。法人は役員全員分の書類が必要。
1. 古物商許可が必要なケース・不要なケース
まず「自分は許可が必要か」を確認しましょう。
許可が必要なケース
| 業態 | 許可の要否 |
|---|---|
| リサイクルショップ・古着屋の開業 | 必要 |
| ネット(メルカリ・ヤフオク・Amazon等)で中古品を仕入れて転売 | 必要 |
| 中古自動車・オートバイの売買 | 必要 |
| 質屋・買取専門店 | 必要 |
| フリマ・フリーマーケットで定期的に転売 | 必要 |
| 古本・中古CD・ゲームの売買 | 必要 |
許可が不要なケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 自分が使っていた不用品を売る(単発・非営利) | 「業として」に当たらない |
| 新品のみを売る | 古物(中古品)ではない |
| 無償で譲渡する(ジモティー等) | 売買ではない |
「趣味のコレクションを大量に売る」「友人の仲介を反復して行う」などは「業として」かどうか微妙なラインです。判断に迷う場合は、管轄警察署または行政書士に確認することをおすすめします。
2. 古物商許可の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法令 | 古物営業法 |
| 申請先 | 営業所の所在地を管轄する警察署 |
| 手数料 | 19,000円(収入証紙) |
| 標準処理期間 | 40日 |
| 許可証の有効期限 | なし(更新不要) |
| 許可前の営業 | できない |
広島市内の管轄警察署
| エリア | 管轄警察署 |
|---|---|
| 中区・東区の一部 | 広島中央警察署 |
| 東区 | 広島東警察署 |
| 南区 | 広島南警察署 |
| 西区 | 広島西警察署 |
| 安佐南区 | 安佐南警察署 |
| 佐伯区 | 佐伯警察署 |
| 安芸区 | 海田警察署 |
※管轄は変更になることがあります。申請前に警察署のウェブサイトまたは電話で確認してください。広島市外(廿日市市・呉市・東広島市等)の方は、営業所の所在地を管轄する警察署にお問い合わせください。
3. 古物の13種類
古物営業法では古物を13の種類に区分しています。申請時には「自分がどの種類を扱うか」を申告します。複数扱う場合はすべて申告します(追加料金なし)。
| 号 | 古物の種類 | 具体例 |
|---|---|---|
| 1 | 美術品類 | 絵画・書画・骨董品・彫刻 |
| 2 | 衣類 | 衣服・着物・帽子・ネクタイ |
| 3 | 時計・宝飾品類 | 腕時計・貴金属・宝石・アクセサリー |
| 4 | 自動車類 | 自動車・タイヤ・カーナビ・カー用品 |
| 5 | 自動二輪車及び原動機付自転車類 | バイク・スクーター・部品 |
| 6 | 自転車類 | 自転車・部品 |
| 7 | 写真機類 | カメラ・レンズ・双眼鏡・望遠鏡 |
| 8 | 事務機器類 | パソコン・プリンター・コピー機 |
| 9 | 機械工具類 | 工作機械・電気工具・農機具 |
| 10 | 道具類 | 家具・楽器・ゲーム機・おもちゃ・スポーツ用品 |
| 11 | 皮革・ゴム製品類 | バッグ・靴・ベルト |
| 12 | 書籍 | 本・雑誌・マンガ |
| 13 | 金券類 | 商品券・プリペイドカード・乗車券 |
申請後に扱う種類を追加する場合は変更届が必要です。
4. 必要書類の一覧
個人申請の場合
| 書類 | 取得先 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 古物商許可申請書 | 警察署または警察庁HPからダウンロード | 所定の様式を使用 |
| 住民票の写し | 市区町村役場 | 本籍地記載あり・マイナンバー記載なし・発行後3ヶ月以内 |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村役場 | 後見・破産の有無を証明する書類(免許証とは別物) |
| 略歴書 | 自作(書式は警察庁HPで確認) | 過去5年間の経歴を記載 |
| 誓約書 | 警察署または警察庁HPからダウンロード | 欠格事由に該当しない旨を誓約 |
| URLの届出書(ネット販売を行う場合) | 自作または警察署から入手 | 使用するサイトのURLを記載 |
「身分証明書」は本籍地の市区町村役場で発行する書類です。運転免許証・マイナンバーカードとは別物です。現住所と本籍地が異なる場合は郵送での取り寄せになることが多く、10〜14日程度かかることがあります。余裕をもって準備してください。
法人申請の場合(個人申請の書類に加えて)
| 書類 | 取得先 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 定款の写し | 自社保管または公証人役場 | 認証済みのもの |
| 登記事項証明書(法人) | 法務局 | 発行後3ヶ月以内 |
| 役員全員の住民票の写し | 各役員の市区町村役場 | 本籍地記載あり・マイナンバー記載なし |
| 役員全員の身分証明書 | 各役員の本籍地の市区町村役場 | |
| 役員全員の略歴書 | 自作 | |
| 役員全員の誓約書 | 警察署または警察庁HPからダウンロード |
営業所に関する書類(必要に応じて)
| 状況 | 必要な書類 |
|---|---|
| 賃貸で営業所を持つ場合 | 使用承諾書(貸主の承諾書)または賃貸借契約書の写し |
| 自宅を営業所にする場合 | 自宅の登記事項証明書または賃貸借契約書 |
| 法人で代表者の自宅を使用する場合 | 代表者の承諾書 |
5. 申請から許可までの流れ
- 取り扱う古物の種類を確認する
- 営業所(店舗または自宅)を決める
- ネット販売を行う場合は使用するURLを確認する
- 法人の場合は役員名簿を確認し、必要書類の部数を把握する
- 申請書・略歴書・誓約書を記入する
- 住民票(本籍地記載あり)を取得する
- 身分証明書を本籍地の役場で取得する(郵送の場合は早めに)
- 法人の場合は登記事項証明書を取得する
- 管轄警察署の生活安全課に書類を持参する
- 手数料19,000円(収入証紙)を納付する
- 書類が受理されれば、40日の審査期間スタート
窓口に持参する前に、管轄警察署に電話で事前確認の連絡をしておくと確実です。
- 申請者の欠格事由照会(前歴・前科の確認)
- 書類の審査
許可証が交付されます。許可証を受け取ってから営業を開始してください。
6. 古物商許可の欠格事由
| 欠格事由 | 内容 |
|---|---|
| 未成年者 | 18歳未満 |
| 成年被後見人・被保佐人 | 後見・保佐の審判を受けている方 |
| 破産手続き中の方 | 復権を得ていない方 |
| 一定の犯罪で禁錮以上の刑に処せられた方 | 執行終了から5年を経過しない方 |
| 古物営業法・刑法等で罰金刑に処せられた方 | 執行終了から5年を経過しない方 |
| 暴力団関係者 | 暴力団員または準構成員等 |
| 過去に古物商許可を取り消された方 | 取り消しから5年を経過しない方 |
| 法人の役員に上記の欠格事由がある場合 | 役員全員が審査対象 |
7. ネット販売(メルカリ・ヤフオク等)の注意点
URLの届出が必要
古物商がウェブサイト・フリマアプリ・オークションサイト等を利用して古物の売買を行う場合、URLを届け出る義務があります。許可申請時に「URLの届出書」を同時に提出します。
対象となる主なサービス:メルカリ・ラクマ・PayPayフリマ・ヤフオク・楽天オークション・自社サイト・Amazonマーケットプレイス等。許可取得後に新たにURLを使用する場合は、変更届の提出が必要です。
許可なしで古物の売買をネットで行うことは古物営業法違反です。「小規模だから大丈夫」「プラットフォームが管理しているから問題ない」という認識は誤りです。
8. 元警察官の視点:よくある申請ミスと対策
古物商許可の申請で最も多い「やり直し」の原因は、身分証明書の取得先の誤りです。「身分証明書」というと運転免許証やマイナンバーカードを想像する方が多いのですが、古物商許可で必要な身分証明書は「本籍地の市区町村役場で発行する、後見・破産の有無を証明する公的書類」です。
次に多いのが、住民票に本籍地が記載されていないケースです。コンビニのマルチコピー機で取得した住民票は、デフォルトで本籍地の記載がない場合があります。必ず「本籍地あり」の設定で取得してください。
法人申請では、役員の書類を1人分忘れるというミスがあります。「社長だけでいいと思っていた」というケースが実際にあります。申請前に役員の人数を確認して、必要な書類の部数を揃えてください。
もう一つ、警察官時代に実際に見たケースとして、申請書類にわざとウソを書く方がいました。おそらく前科があることを自覚しているために、生年月日などにわざと違う数字を記載してくるのです。しかし、申請書類の記載内容は、その後の審査で必ず照会されます。万が一誤った数字で書類が受理されたとしても、審査の過程で虚偽は必ず明らかになります。申請書類に虚偽の記載をすることは、それ自体が犯罪に問われる可能性があります。絶対にやめてください。
※西岡の警察官時代・行政書士としての経験を踏まえた見解です
9. 行政書士に依頼するメリット
| 依頼内容 | 概算報酬の目安 |
|---|---|
| 個人申請の代行 | 3万〜5万円程度 |
| 法人申請の代行 | 5万〜8万円程度 |
| 自分で申請する場合 | 手数料19,000円のみ |
※上記はあくまで一般的な目安です。当事務所の正確な料金はお問い合わせください。
行政書士に依頼することで、①身分証明書の取得先ミスを防げる、②法人の役員全員分の書類収集をサポートできる、③欠格事由の事前確認ができる、④警察署への持参・受け取りを代行できる、といったメリットがあります。
10. よくある質問(FAQ)
当事務所に実際に寄せられた質問をまとめました。
まとめ:古物商許可申請のポイント
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 許可の必要性 | 業として中古品を売買・交換・委託販売する場合は必要 |
| 申請先 | 営業所を管轄する警察署の生活安全課 |
| 手数料 | 19,000円(収入証紙) |
| 標準処理期間 | 40日 |
| 最重要書類 | 身分証明書は本籍地の市区町村役場で取得 |
| ネット販売 | URLの届出書も同時に提出 |
| 法人申請 | 役員全員分の書類が必要 |