古物商のURL届出とは?
ネット販売を始めるときの届出義務【2026年版】
古物商許可を取って、いよいよネットで中古品を販売——その前に、確認すべき手続きがあります。ホームページ利用取引のURL届出です。結論から言うと、インターネット上で古物(中古品)の売買の申込みまで完結するサイトを使うなら、そのURLを公安委員会に届け出る必要があります。自社のネットショップはもちろん、メルカリShopsやBASE、Amazon、ヤフオクといったプラットフォームのショップURLも対象になり得ます。この記事では、届出が必要/不要の線引き、プラットフォーム別に用意する書類、サイトに表示すべき3点、そして最新の改正内容までを、まとめて解説します。
- ネット上で中古品の売買(申込みの誘引)まで完結するサイトを使うなら、そのURLを公安委員会に届け出る必要がある。届出をした古物商は「特定古物商」と呼ばれる(2024年4月改正)。
- 届出が要る/要らないの線引き:商品の広告から契約締結までサイト内で完結する=要届出。宣伝・情報発信だけで、取引は電話や来店で行う=不要。
- 対象URLは自社サイトだけでない。メルカリShops・BASE・Amazon・ヤフオク・ヤフーショッピングのショップURLも届出対象。
- 届出にはURLの使用権限を疎明する資料が必要(独自ドメインはWhois情報、フリマ・モールはプロフィールや審査完了メール等)。都道府県でルールが違うため、管轄警察署への事前確認が必須。
- ネット取引をするサイトには①氏名または名称 ②許可をした公安委員会の名称 ③許可証番号(12桁)の3点表示が義務。開設から14日以内に届け出る。
・ネットで売買が完結するサイトを使うなら、URLを公安委員会に届出(=特定古物商)
・宣伝・情報発信だけのサイトは届出不要
・メルカリShops・BASE・Amazon・ヤフオクのショップURLも対象になり得る
・サイトに氏名・公安委員会名・許可番号の3点表示/開設から14日以内に届出
※都道府県でルールが異なる。必ず管轄の警察署(生活安全課)に事前確認を。
そもそも「URL届出」とは何か
古物営業法では、インターネットを使って古物の売買・交換の"申込みの誘引"を行う場合、あらかじめそのサイトのURLを公安委員会に届け出ることになっています。「申込みの誘引」とは、かみ砕くとサイト上でお客さんから「買います/売ります」の申込みを受けられる状態にすることです。
なぜ届出が要るのか。ネット取引は対面と違って相手の顔が見えないため、そのサイトが本当に許可を受けた正規の古物商のものかを、公安委員会が把握・公表できるようにするためです。実際、各都道府県の公安委員会は、届出のあった特定古物商のURL一覧を自分のサイトで公表しており、利用者は「このネットショップは正規の古物商か」を確認できるようになっています。
【最重要】届出が「必要なサイト」と「不要なサイト」
ここが一番のポイントです。ホームページがあれば必ず届出、というわけではありません。 分かれ目は「そのサイトで取引が完結するか」です。
| サイトの使い方 | URL届出 |
|---|---|
| 商品の広告から契約の締結までサイト内で完結する(カートで購入できる、申込みフォームがある等) | 必要 |
| 商品の広告・宣伝・情報発信のみ。実際の売買は電話・メール・来店などサイト外で行う | 不要 |
| SNSやブログでお店の紹介をするだけ(取引機能なし) | 不要 |
つまり、サイト上で「注文・申込み」まで受けられるなら届出が必要、単なる看板・カタログとして使うだけなら不要、というのが基本の考え方です。判断に迷うケースも多いので、後述のとおり管轄の警察署に確認するのが確実です。
届出が必要なURLの具体例 — フリマ・モールも対象
「URLの届出」と聞くと、独自ドメインの自社サイトだけを思い浮かべがちですが、次のようなプラットフォームのショップURLも届出の対象になります。
- 独自ドメインの自社ネットショップ
- メルカリShops
- BASE(ベイス)/STORES など
- Amazon(出品者ページ)
- ヤフオク!/ヤフーショッピング(ストア)
要するに、そのプラットフォーム上で古物の売買が完結するなら、そのショップのURLが届出対象ということです。複数のサイト・アプリで販売するなら、それぞれのURLについて届出が必要になります(申請用紙は原則1URLにつき1枚)。
2025年9月のメルカリ利用規約改訂により、2025年10月22日から、通常のメルカリ(個人向けアカウント)を事業者が使うことができなくなりました。事業として古物を売買するなら、メルカリShopsの利用が基本になります。古物商としてメルカリ系を使う場合は、この点にご注意ください(届出の際の疎明資料も、メルカリShopsとそれ以外で異なります)。
届出に必要な「URLの使用権限を疎明する資料」
URL届出でつまずきやすいのが、そのURLを自分が正当に使う権限があることを示す資料(疎明資料)の準備です。サイトの種類によって、用意するものが変わります。
- Whois情報(ドメイン登録者情報)をプリントアウトしたもの。登録者名が申請者本人(または自社)であることを示す
- ドメインの名義人が申請者と異なる場合は、名義人が署名・捺印した「URL使用承諾書」
- プラットフォームが発行するアカウント情報・ショップ情報・審査完了メールなどをプリントアウトしたもの
- URLと、申請者本人の氏名(フルネーム)が確認できることが基本
- メルカリShopsなら開設時の審査完了メール、通常のフリマ系ならプロフィールページの印刷、など
URL届出の疎明資料は、都道府県(警察本部)ごとにローカルルールがあり、求められる書類が異なります。「この資料でいいと思っていたら、追加を求められた」ということが起こりがちです。準備の前に、必ず管轄の警察署(生活安全課)に必要書類を確認してください。
私自身、広島県のほか、お隣の岡山県や島根県などで古物商許可を取り扱ってきましたが、知る限りでは、各県警のホームページに記載された必要資料以外を求められたことはありません。ただ、行政書士としていろいろな許認可の調査研究をしていると、別の県警では、取り扱う物品によって追加の資料(商品の保管場所の図面など)を求められることもあるようです。だからこそ、各署への事前の問い合わせがベターだと、いつもお伝えしています。
サイトに表示する「3点」— これがないと一覧に載らない
URL届出をして特定古物商になったら、そのネット取引をするサイトに、次の3点を表示する義務があります(古物営業法)。
表示場所は、トップページか、トップページから「古物営業法に基づく表示」などのリンクをたどってすぐ見られるページ。文字は、通常の人が読める明瞭な大きさである必要があります。会社概要のページに小さく紛れ込ませるだけでは足りない、とされることもあります。
この3点が正しく表示されていないと、公安委員会が公表する特定古物商のURL一覧に掲載されない(=利用者から見て「正規の古物商か確認できない」状態になる)ため、しっかり整えておきましょう。
【2024年4月改正】ネット取引をしない古物商も、原則サイトに表示が必要に
2024年4月施行の法改正で、URL届出をしていない(ネットで取引まではしない)古物商でも、自分が管理するウェブサイトを持っているなら、原則として前述の3点(氏名等)を表示する義務が課されました。たとえば、取引はすべて店頭で行い、ホームページは店の紹介だけ——そんな場合でも、そのサイトに氏名・公安委員会名・許可番号の表示が必要、という解釈です。
- 常時使用する従業者の数が5人以下である(※会社役員・個人事業主本人は「常時使用する従業者」に含まれない)
- 自分が管理するウェブサイトを持っていない
小規模な事業者は免除されるケースが多いですが、「うちは表示が要るのか要らないのか」は判断が分かれるところなので、迷ったら確認してください。
届出のタイミングと、怠った場合のリスク
URL届出(および変更届)は、ホームページの開設・利用開始から14日以内に行う必要があります。届出をせずにネット取引を続けると、変更届出義務違反として、指導や罰則の対象になり得ます。また、無届のままだと公安委員会のURL一覧に載らないため、利用者からの信頼という面でもマイナスです。ネット販売を始めるとき、あるいは新しいプラットフォームに出店するときは、その都度、届出の要否を確認する習慣をつけましょう。
まとめ
- ネット上で売買が完結するサイトを使うなら、そのURLを公安委員会に届出(=特定古物商)。宣伝のみのサイトは不要。
- メルカリShops・BASE・Amazon・ヤフオクなどのショップURLも対象になり得る。
- 届出にはURLの使用権限を疎明する資料(Whois・使用承諾書・プラットフォームの情報等)が必要。都道府県でルールが違うので管轄警察署に事前確認。
- ネット取引サイトには氏名・公安委員会名・許可番号(12桁)の3点表示。開設から14日以内に届出。
- 2024年4月改正で、ネット取引をしない古物商も原則サイトに3点表示(従業者5人以下・自己サイトなしは免除)。
- 2025年10月からメルカリの個人アカウントは事業者利用不可。事業ならメルカリShopsへ。
ネット販売は、届出の要否も、必要書類も、地域ごとのルールも入り組んでいます。「このサイトは届出が要る?」「メルカリShopsの疎明資料は何を出せばいい?」——迷ったら、始める前にご相談ください。広島で古物のネット販売をお考えなら、URL届出まで含めてサポートします。
よくある質問
始める前に防ぎます
URL届出は、要否の判断・疎明資料・サイトの表示・地域ごとのルールと、確認事項が多い手続きです。元広島県警察官13年の行政書士が、届出の要否判断から、メルカリShops・BASE等の疎明資料の準備、サイトの表示チェックまでサポートします。広島で古物のネット販売をお考えなら、始める前にご相談ください。