西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
農地転用土地の話が出たら読む

農地転用とは?
4条・5条の違いと許可・届出の判断

2026.06.26 監修:西岡 祐也(元広島県警察官13年/行政書士)

「実家の畑に家を建てたい」「相続した農地を売りたい」「農地に資材置場を作りたい」——こうしたとき必要になるのが農地転用の手続きです。農地は食料生産の基盤として法律で守られており、勝手に他の用途に変えることはできません。しかも「どの条文か」「許可か届出か」「そもそも転用できる農地か」で、手続きの重さがまったく変わります。この記事では、その判断の順番を、広島で農地転用を扱う行政書士が整理します。

この記事のポイント

農地転用とは

農地転用とは、農地を農地以外の用途に変えることです。宅地(住宅)、駐車場、資材置場、太陽光発電設備などが典型例です。

ポイントは、登記地目が「田」「畑」であるかどうかだけでなく、現況が農地かどうかで判断されること。「何年も耕作していないから農地ではない」とはならず、現況が農地と判断されれば手続きが必要です。

農地法3条・4条・5条の違い

農地に関する手続きは、条文で3つに分かれます。「転用するのか」「権利が動くのか」の組み合わせで決まります。

条文どんな場合具体例
3条権利移動のみ(転用しない)農業を続ける目的で農地を売買・貸借する
4条自分の農地を自分で転用(権利移動なし)自分の畑に自宅を建てる、駐車場にする
5条転用+権利移動農地を売って買主が宅地にする、借りて資材置場にする

自分の農地か、他人に渡すのか——ここが4条と5条の分かれ目です。

【最重要】市街化区域なら「届出」、市街化調整区域なら「許可」

同じ農地転用でも、都市計画法上の区域によって手続きの重さがまったく違います。

届出は「出せば受理される」、許可は「認められるかどうか審査される」——この差は非常に大きく、期間も難易度も変わります。まず自分の農地がどちらの区域かを確認するのが出発点です。

転用できるか否かは「農地区分」でほぼ決まる

許可が必要な区域では、その農地の区分によって、転用の可否がほぼ決まります。

区分内容転用の方針
農用地区域内農地(青地)農業振興地域の整備計画で農用地区域に指定された農地原則不許可。先に「農振除外」の手続きが必要
甲種農地市街化調整区域内で特に良好な営農条件を備えた農地原則不許可(例外は極めて限定的)
第1種農地おおむね10ha以上の集団農地、土地改良事業完了後8年以内など原則不許可(例外規定あり)
第2種農地小集団で生産性の低い農地、市街化が見込まれる区域内の農地他の土地で代替できない場合に許可
第3種農地市街地の中、または市街化の傾向が著しい区域内の農地原則許可

いわゆる「青地」だと、まず農振除外からになり、時間も難易度も大きく変わります。ここを知らずに話を進めると、計画そのものが止まります。

手続きの流れ

  1. 区域と区分の確認:市街化区域か調整区域か、農地区分はどれか(役所・農業委員会で確認)
  2. 事前相談:許可が必要な区域では、申請前に農業委員会へ相談するのが実務上の鉄則
  3. 書類の準備:申請書(届出書)、土地の登記事項証明書、位置図・公図、土地利用計画図など
  4. 提出:農業委員会へ(許可の場合は農業委員会経由で知事等へ)
  5. 受理通知・許可:市街化区域の届出は受理通知の交付。許可は審査を経て許可書の交付

必要書類(主なもの)

※必要書類は市町村・案件により異なります。事前に農業委員会で確認してください。

費用と期間

※広島の市町村ごとの締切日・処理日数は運用が異なるため、管轄の農業委員会に確認してください。
現場の話 元広島県警察官・西岡より

農地転用のご相談で、いちばん多いのが「もう話が進んでいる」というケースです。売買の話がまとまってから、あるいは建物の計画ができてから相談に来られる。ところが、もしも調べてみると青地で、まず農振除外から——となると、想定より何ヶ月も先になってしまいます。

だから私は、土地の話が出た段階で、まず区域と区分を確認することをお勧めしています。市街化区域なら届出で済みますし、第3種農地なら原則許可です。逆に青地なら、計画の立て方そのものを変えたほうがいい場合もある。順番を先に知っておくだけで、無駄な時間とお金を使わずに済みます。

よくある質問

Q農地転用とは何ですか?
A農地を宅地・駐車場・資材置場など、農地以外の用途に変えることです。登記地目だけでなく現況が農地かどうかで判断されるため、耕作していない土地でも手続きが必要になることがあります。
Q農地法4条と5条の違いは何ですか?
A自分の農地を自分で転用する場合が4条、売買や貸借など権利移動を伴って転用する場合が5条です。他人に渡すかどうかが分かれ目です。
Q市街化区域の農地でも許可が必要ですか?
A市街化区域内の農地は、あらかじめ農業委員会へ届出をすれば転用でき、4条・5条の許可は不要です。市街化調整区域などでは許可が必要になります。
Qどんな農地でも転用できますか?
Aできない農地もあります。農用地区域内農地(青地)や甲種農地、第1種農地は原則不許可です。青地の場合は、先に農振除外の手続きが必要になります。第3種農地は原則許可されます。
Q手続きにどれくらいかかりますか?
A市街化区域の届出は、受理からおおむね1〜2週間で受理通知が交付されます。許可が必要な区域では農業委員会の総会スケジュールに沿って進むため、月単位の期間を見込んでください。
まとめ

農地転用は、①4条か5条か(自分で転用か、権利移動を伴うか)②市街化区域か調整区域か(届出か許可か)③農地区分はどれか(青地なら農振除外から)——この3つの順番で判断します。

土地の話が出た段階で区域と区分を確認しておけば、計画の立て方を間違えずに済みます。

農地転用のご相談は
西岡行政書士事務所へ

「実家の畑に家を建てたい」「相続した農地を売りたい」——農地転用は、区域と農地区分の確認から始まります。青地なら農振除外が先になることも。土地の話が出た段階でご相談いただければ、進め方の順番から一緒に組み立てます。図面・書類の作成から農業委員会への申請までお任せください。

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