農振除外とは?
青地を農用地区域から外す手続きと6要件
農地を宅地などに変えようとして調べたら「この土地は青地だから転用できない」と言われた——そのときに出てくるのが農振除外という手続きです。これは農地転用の前段にあたる、まったく別の手続きで、しかも時間が最もかかる関門でもあります。この記事では、農振除外とは何か、満たすべき6つの要件、広島市での受付時期と期間、必要書類、そして転用許可までの全体スケジュールを整理します。
- 農振除外とは、農用地区域(通称青地)に指定された農地を、その区域から外してもらう手続き。青地のままでは原則として農地転用ができない。
- 広島市の受付は年2回(2月末日まで/8月末日まで)、手続きには約6か月かかる。
- 除外が認められるには6つの要件をすべて満たす必要がある。特に「代替地がないこと」の説明が山場。
- 除外後にあらためて農地転用の許可申請が必要。全体では1年近くを見込む。
農振除外とは
農振除外とは、正式には「農業振興地域整備計画の変更」といい、農用地区域に指定されている農地を、その区域から除外してもらう手続きです。根拠は農業振興地域の整備に関する法律(農振法)です。
農用地区域は、長期にわたって農業に使うべき土地として市町村が計画で定めた区域で、現場では青地と呼ばれます。農業を守るための区域なので、ここに入っている限り、農地転用はまず認められません。
つまり青地の農地を宅地や駐車場にしたい場合は、先に青地から外す(農振除外)、そのうえで農地転用の許可を取るという二段構えになります。
青地と白地の違い
農業振興地域の中でも、農用地区域に指定されているものを青地、指定されていないものを白地と呼び分けます。白地であれば農振除外は不要で、農地転用の手続きから始められます。
注意したいのは、見た目や登記地目では青地かどうか分からないことです。隣り合った畑でも片方だけが青地ということもあります。必ず役所で確認してください。
【最重要】広島市は年2回の受付・約6か月かかる
農振除外でいちばん押さえておくべきなのは、いつでも申請できる手続きではないという点です。
広島市の場合、申請の受付は年2回で、2月受付は2月末日まで、8月受付は8月末日までと決まっています。そして手続きには約6か月かかり、2月受付分は同年8月末頃、8月受付分は翌年2月末頃に公告されます。
締切を1日でも過ぎると、次の受付は半年後です。ここが計画全体のスケジュールを大きく左右します。
除外が認められる6つの要件
農振除外は、次の6つの要件をすべて満たす場合に限って認められます。ひとつでも欠ければ認められません。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 必要性・代替性 | 農用地以外の用途に使うことが必要かつ適当で、他に代替すべき土地がないこと |
| 地域計画 | 地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 農地の集団化 | 農地の集団化や農作業の効率化に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 利用集積 | 農業経営への農地の利用集積に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 農業用施設 | 農業用用排水施設などの機能に支障を及ぼすおそれがないこと |
| 土地改良事業 | 土地改良事業の完了後8年以上を経過していること |
実務上いちばんの山場は、ひとつめの代替性です。「なぜ他の土地ではだめで、この農地でなければならないのか」を、計画の内容と土地の条件から具体的に説明できるかどうかで結果が変わります。
また、土地改良事業の完了後8年を経過していない農地は、他の要件を満たしていても対象外になります。この点は早い段階で確認しておくべきところです。
申請先と必要書類
広島市では、対象の農地がある区役所の農林課が窓口です。市内で農業振興地域の指定があるのは安佐南区・安佐北区・安芸区・佐伯区で、この4区が対象になります。
必要書類は、おおむね次のとおりです。
- 土地利用計画変更申出書
- 位置図
- 公図
- 登記全部事項証明書
- 建物配置図
- 被害防除措置計画書
- 本人確認書類
手続きの流れ
- ① 青地かどうかの確認。区役所農林課・農業委員会で、対象の農地が農用地区域に入っているかを確認します。
- ② 事前相談。計画の内容を伝え、6要件を満たす見込みがあるか、必要書類は何かを相談します。
- ③ 書類の準備と申出。土地利用計画変更申出書と添付書類をそろえ、受付期間内(2月末日まで、または8月末日まで)に提出します。
- ④ 審査・公告。約6か月の審査を経て、計画変更が公告されます。
- ⑤ 農地転用の許可申請。除外の公告後、あらためて農地法の転用許可を申請します。
費用の目安
農振除外の申出そのものに、行政へ納める手数料はかかりません。かかるのは、登記全部事項証明書や公図などの取得実費と、図面・計画書の作成費用、行政書士に依頼する場合の報酬です。
金額は、土地の条件や計画の内容、作成する図面の量によって変わります。当事務所では内容をお聞きしたうえでお見積りをお出ししますので、まずはご相談ください。
農振除外でいちばん多いのは、受付の締切を知らずに計画が止まってしまうケースです。年2回しか窓口が開かず、しかも審査に約6か月。1日でも締切を過ぎれば、次は半年後になります。買主や施工業者との約束がある場合、ここで一気に苦しくなります。
だから私は、土地の話が出た段階で、まず青地かどうかを確認することをお勧めしています。白地ならすぐ転用の話に進めますし、青地なら最初から1年計画で組み立てればいい。順番と期間さえ先に分かっていれば、落ち着いて準備ができます。
よくある質問
青地の農地を転用するには、まず農振除外が必要です。広島市の受付は年2回(2月末日まで/8月末日まで)、手続きに約6か月。さらに除外後の転用許可を含めると、全体で1年近くかかります。
認められるには6要件をすべて満たす必要があり、特に代替地がないことの説明が山場です。土地の話が出た段階で、青地かどうかの確認から始めてください。
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