西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
産業廃棄物建設業の方へ

産業廃棄物の20種類と建設廃棄物
排出事業者は元請

監修:西岡 祐也(行政書士)

産業廃棄物は20種類に分かれています。収集運搬業の許可はこの種類ごとに受けるものなので、「自分が運ぶものはどれか」を決めないと申請そのものが始まりません。
そして建設工事には、他の業種にない特徴が3つあります。木くずや紙くずは建設業だから産業廃棄物になること。排出事業者は元請業者だということ。そして混ざったものは許可品目で詰まるということ。順に整理します。

この記事の要点

20種類の全体像

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法と同法施行令で定められたものです。大きく3つに分かれます。

産業廃棄物の20種類
区分種類
あらゆる事業活動に伴うもの
(12種類)
燃え殻/汚泥/廃油/廃酸/廃アルカリ/廃プラスチック類/ゴムくず/金属くず/ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず/鉱さい/がれき類/ばいじん
排出する業種等が
限定されるもの
(7種類)
紙くず/木くず/繊維くず/動植物性残さ/動物系固形不要物/動物のふん尿/動物の死体
処理したもの
(1種類)
上記を処分するために処理したもので、上記に該当しないもの(いわゆる13号廃棄物)

上の12種類は業種を問いません。どんな事業から出ても産業廃棄物です。一方で下の7種類は業種等によって扱いが変わります。ここが建設業にとって重要になります。

13号廃棄物は分かりにくい区分ですが、要は処分の過程で性状が変わったものです。たとえば汚泥をセメントで固めた固形化物のように、元の種類にも当てはまらなくなったものがここに入ります。

建設工事で出る主な種類

建設工事の現場から出るものを、20種類に当てるとこうなります。

建設工事で生じる主な産業廃棄物
種類現場での例
がれき類コンクリート片、アスファルト片(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)
ガラスくず・コンクリートくず
及び陶磁器くず
板ガラス、レンガ、石膏ボード、陶磁器のくず
木くず型枠材、木材片、おがくず、パレット
廃プラスチック類養生シート、塩ビ管、発泡スチロール、断熱材
金属くず鉄筋の切れ端、配管、建材の金物
汚泥建設汚泥(掘削や基礎工事で生じる泥状のもの)
紙くず・繊維くず包装材、養生用の紙や布(建設業の新築・改築・除去に伴うもの)
廃油・廃酸・廃アルカリ機械の廃油、薬剤の廃液など
注意していただきたいのが現場事務所から出るものです。生ごみや廃図面などは一般廃棄物にあたり、産業廃棄物ではありません。同じ現場の中でも区分が分かれますので、まとめて処理しないようご注意ください。

建設業だから産廃になるもの

ここが建設業の特徴です。木くず・紙くず・繊維くずは、業種等が限定されています。

業種限定のある種類と建設業の関係
種類産業廃棄物になる場合
木くず建設業に係るもので工作物の新築・改築・除去に伴うもの、木材・木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業などから生じたもの
紙くず建設業に係るもので工作物の新築・改築・除去に伴うもの、パルプ・紙・紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業、印刷物加工業から生じたもの
繊維くず建設業に係るもので工作物の新築・改築・除去に伴うもの、衣服その他繊維製品製造業を除く繊維工業から生じたもの

つまり同じ木くずでも、誰のどんな活動から出たかで区分が変わります。建設工事で出た木材片は産業廃棄物。一方、対象外の業種から出た木くずは事業系の一般廃棄物として扱われ、処理のルートも委託先も変わります。

なおがれき類も「工作物の新築・改築・除去に伴うもの」という限定があります。建設工事以外から出たコンクリート片は、がれき類にあたらない場合があります。

この業種限定は許可の種類選びに直結します。建設現場から木くずを運ぶつもりなら、収集運搬業許可に木くずを入れておかなければなりません。「がれき類だけで取っておけば足りるだろう」と考えていると、実際の現場で運べないものが出てきます。
▼収集運搬業許可そのものの全体像はこちら:産業廃棄物収集運搬業許可とは?広島の要件・費用・政令市の扱い

排出事業者は元請業者

建設業の方からのご相談で、いちばん結論が変わるのがこの点です。建設工事で生じた廃棄物の排出事業者は、発注者から直接工事を請け負った元請業者です。

誰が排出事業者か
状況排出事業者
元請が施工する元請業者
実際の施工を下請が行う元請業者
工事を一括して下請に出す元請業者

ここから実務上の帰結が出てきます。下請業者が廃棄物を運ぶのは、他人(元請)の廃棄物の運搬になります。つまり原則として収集運搬業許可が必要です。「自分の工事で出たものだから自ら運搬だろう」とはなりません。

ただし2つの例外的な扱いがあります。

この特例には金額や距離などの条件が付いています。該当するかどうかは工事ごとの判断になりますので、継続的に運搬されるのであれば許可を取っておくほうが確実です。特例の範囲で動き続けるのは、現場が変わるたびに判断が必要になり、かえって負担になります。

なお発注者には廃棄物処理の法的責任はありません。ただし解体前からあった残置物や、取り外したPCB含有の廃電気機器などは、占有者である発注者が適正に処理する責任を負います。

石綿は2つに分かれる

解体工事で避けて通れないのが石綿(アスベスト)です。廃棄物としては2つに分かれ、扱いがまったく違います。

石綿含有産業廃棄物と廃石綿等
石綿含有産業廃棄物廃石綿等
区分産業廃棄物特別管理産業廃棄物
内容工作物の新築・改築・除去に伴って生じた産業廃棄物で、石綿を重量の0.1%を超えて含むもの(廃石綿等を除く)除去された吹付け石綿、石綿含有の保温材・断熱材・耐火被覆材、除去工事で使ったプラスチックシートや防じんマスクのうち飛散するおそれのあるもの
例石綿含有のPタイル、廃石膏ボード、スレート板石綿含有吹付けロックウール、石綿保温材、けいそう土保温材、煙突石綿断熱材、石綿含有耐火被覆板

分かれ目は石綿の含有量と「飛散するおそれ」の有無です。スレート板のように固められていれば石綿含有産業廃棄物、吹付けや保温材のように飛び散るおそれがあれば廃石綿等になります。

許可の面でも区別が必要です。廃石綿等は特別管理産業廃棄物なので、運ぶには特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。通常の産業廃棄物収集運搬業許可では運べません。解体工事を扱われるなら、どちらの石綿が出る見込みかを早めに確認してください。

混合廃棄物は許可品目で詰まる

現場では、きれいに分かれて出てくれるとは限りません。そこで問題になるのが混合廃棄物です。

安定型産業廃棄物と木くず・紙くず等が混在した建設混合廃棄物は、全体を管理型産業廃棄物として扱い、選別設備を持つ中間処理施設または管理型最終処分場で処分することになります。

混合物から安定型の品目を選別し、熱しゃく減量を5%以下にできれば安定型として扱えますが、これは他の廃棄物が5%まで混ざってよいという意味ではありません。また安定型の品目であっても、他の廃棄物が付着・混入するおそれがあれば安定型として扱えません。

収集運搬業許可に「混合廃棄物」という種類はありません。
混ざった状態で運ぶなら、含まれる種類すべての許可が必要です。

ここが申請実務でいちばん詰まるところです。がれき類の許可だけでは、木くずが混ざったものは運べません。処理施設にも許可品目が定められているため、許可品目に応じて区分して搬入する必要があり、マニフェストも廃棄物の種類ごとに交付します。

だから許可の種類を決める段階が勝負になります。「現場から何が出るか」を品目で洗い出して、必要な種類をまとめて申請する。あとから種類を増やすには変更許可が必要で、手数料も時間もかかります。最初に広く取っておくほうが、結果として安く済むことが多いです。

建設リサイクル法の4品目

廃棄物処理法とは別に、建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)があります。一定規模以上の工事では、特定建設資材の分別解体と再資源化が義務づけられています。

特定建設資材(4品目)
品目具体例
コンクリート無筋・有筋コンクリート、コンクリートブロック、インターロッキングブロック、間知ブロック、テラゾブロック、軽量コンクリート
コンクリート及び鉄から
成る建設資材
プレキャスト鉄筋コンクリート製品(PC版等)、コンクリート平板、U字溝等の二次製品
アスファルト・コンクリートアスファルト混合物、再生加熱アスファルト混合物、改質再生アスファルト混合物、アスファルト処理混合物
木材木製コンクリート型枠(リース材を含む)、合板、パーティクルボード、集成材、繊維板(インシュレーションボード、MDF、ハードボード)

見落としやすいのが木製の梱包材は対象外という点です。建設資材ではないためです。木くずとして産業廃棄物の処理はしますが、建設リサイクル法の分別解体の対象にはなりません。

▼建設業許可そのものの全体像はこちら:建設業許可とは?広島で取るための5要件・費用・期間
▼解体工事を含む29業種の区分はこちら:建設業許可の29業種とは?一式工事の誤解と附帯工事
現場の話 行政書士・西岡より

産廃の許可で種類を決める作業は、思っている以上に時間がかかります。「建設廃材」とひとくちに言われるものを、20種類に当てていく必要があるからです。

ですので私は、現場の写真を見せていただくことがあります。言葉だと「廃材」で終わってしまうところが、写真を見れば石膏ボードが写っている、養生シートが写っている、配管が写っている——そこから種類が確定していきます。石膏ボードはガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、養生シートは廃プラスチック類、配管は金属くず。こうして並べると、必要な許可の種類が見えてきます。

そしてもうひとつ必ずお聞きするのが「元請として受けますか、下請として入りますか」です。下請で入って廃棄物を運ぶなら、それは元請の廃棄物の運搬ですから許可が必要になります。自ら運搬の特例もありますが、条件があり工事ごとの判断です。継続して運ばれるなら、許可を取っておくほうが気が楽だと思います。

よくある質問

Q産業廃棄物は何種類ありますか?
A20種類です。あらゆる事業活動に伴うものが12種類(燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん)、排出する業種等が限定されるものが7種類(紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体)、そしてこれらを処分するために処理したもの(いわゆる13号廃棄物)があります。
Q木くずや紙くずはいつでも産業廃棄物ですか?
Aいいえ。業種等が限定されています。木くず・紙くず・繊維くずは、建設業に係るもので工作物の新築・改築または除去に伴って生じたものなどが産業廃棄物になります。対象の業種以外から出たものは、事業系の一般廃棄物として扱われます。同じ木くずでも、誰のどんな活動から出たかで区分が変わります。
Q建設工事の排出事業者は元請と下請のどちらですか?
A発注者から直接工事を請け負った元請業者です。実際の施工を下請業者が行う場合も、工事を一括して下請に出す場合も、排出事業者は元請業者になります。ただし下請業者も、現場内で行う保管については排出事業者とみなされ保管基準の対象となり、また一定の小規模な工事などの条件を満たす場合には自ら運搬できる特例があります。
Q石綿含有産業廃棄物と廃石綿等はどう違いますか?
A石綿含有産業廃棄物は、工作物の新築・改築・除去に伴って生じた産業廃棄物で、石綿を重量の0.1パーセントを超えて含むもの(廃石綿等を除く)です。石綿含有のPタイル、廃石膏ボード、スレート板などが例です。廃石綿等は特別管理産業廃棄物で、除去された吹付け石綿や石綿含有の保温材・断熱材・耐火被覆材、除去工事で使ったプラスチックシートや防じんマスクのうち飛散するおそれのあるものです。区別の基準は石綿の含有量と飛散するおそれの有無です。
Q混合廃棄物はどのように扱われますか?
A安定型産業廃棄物と木くず・紙くず等が混在した建設混合廃棄物は、全体を管理型産業廃棄物として扱い、選別設備を持つ中間処理施設または管理型最終処分場で処分します。混合物から安定型の品目を選別し熱しゃく減量を5パーセント以下にできれば安定型として扱えますが、他の廃棄物が5パーセントまで混ざってよいという意味ではありません。処理施設ごとに許可品目が定められているため、許可品目に応じて区分して搬入する必要があり、マニフェストも廃棄物の種類ごとに交付します。
Q収集運搬業許可は混合廃棄物という種類で取れますか?
A取れません。収集運搬業許可は廃棄物の種類ごとに受けるものです。混合した状態で運ぶ場合は、その中に含まれる種類のすべてについて許可を受けている必要があります。がれき類の許可だけで木くずが混ざったものを運ぶことはできません。許可の種類を決める段階で、現場から出るものを洗い出しておくことが大切です。
Q建設リサイクル法の特定建設資材は何ですか?
Aコンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、アスファルト・コンクリート、木材の4品目です。コンクリートブロックや間知ブロック、プレキャスト鉄筋コンクリート製品、アスファルト混合物、木製コンクリート型枠や合板・集成材などが含まれます。木製の梱包材は建設資材ではないため対象外です。
まとめ

産業廃棄物は20種類。あらゆる事業活動に伴う12種類と、業種等が限定される7種類、そして処分するために処理したものです。収集運搬業許可はこの種類ごとに受けます。

建設業で押さえるべきは3点。木くず・紙くず・繊維くずは建設業の新築・改築・除去に伴うものだから産業廃棄物になること。排出事業者は元請業者であり、下請が運ぶのは他人の廃棄物の運搬になること(自ら運搬の特例は条件付き)。そして混ざったものは許可品目で詰まることです。

石綿は石綿含有産業廃棄物(0.1%超)と廃石綿等(飛散のおそれ=特別管理)に分かれ、後者には特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。許可の種類は、現場から何が出るかを品目で洗い出してから決めてください。

この記事の根拠
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律、同法施行令(産業廃棄物の種類、業種等の限定、特別管理産業廃棄物、安定型産業廃棄物)
  • 東京都環境局「産業廃棄物の種類」(20種類の区分=あらゆる事業活動に伴うもの12種類、排出する業種等が限定されるもの7種類、これらを処分するために処理したもの)
  • 北九州市「産業廃棄物の種類」(20種類の名称と具体例、業種限定の対象業種=木くず・紙くず・繊維くずにおける建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、がれき類の限定、特別管理産業廃棄物の種類)
  • 横浜市資源循環局「建設工事から生ずる廃棄物の処理の手引き(令和6年4月)」(建設工事で生じる主な産業廃棄物、現場事務所からの生ごみ・廃図面は一般廃棄物、石綿含有産業廃棄物=石綿を重量の0.1%を超えて含むものと廃石綿等=飛散のおそれのあるものの区分と具体例、建設混合廃棄物は全体を管理型として扱う・熱しゃく減量5%以下・許可品目に応じた区分搬入・マニフェストは種類ごとに交付、排出事業者は元請業者であり一括下請の場合も同様・下請は現場内保管について排出事業者とみなされる・一定の小規模工事等で自ら運搬できる特例、発注者の責任、建設リサイクル法の特定建設資材4品目と具体例)
  • 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(特定建設資材)

2026年10月時点の内容です。廃棄物の区分は個別の性状や排出の状況によって判断が分かれることがあるため、申請や委託の前に広島県産業廃棄物対策課または所管の厚生環境事務所でご確認ください。

廃棄物の種類の整理は
西岡行政書士事務所へ

「どの種類で許可を取ればいいか分からない」「下請で運ぶのに許可が必要と言われた」「解体で石綿が出る」——許可は廃棄物の種類ごとです。現場から出るものを写真や見積書で洗い出し、必要な種類をまとめて申請します。種類の判定、特別管理の要否、収集運搬業許可の申請まで一貫してお任せください。建設業許可とあわせてのご相談も承っています。

💬 LINEで相談