西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
建設業2026年版

建設業許可とは?
広島で取るための5要件・費用・期間

監修:西岡 祐也(元広島県警察官/行政書士)

「500万円を超える工事の話が来たが、うちは許可を持っていない」「元請から許可業者でないと発注できないと言われた」——建設業許可は、仕事の規模が大きくなる段階で必ず突き当たる壁です。この記事では、許可が必要になる金額の線引き、一般と特定の違い、5つの許可要件、そして広島県での窓口・費用・期間を整理します。なお、一般と特定を分ける金額は2025年2月1日の改正で引き上げられており、古い数値を載せている解説が今も多いため、その点も明記します。

この記事の要点

建設業許可とは

建設業許可とは、建設工事の完成を請け負う営業をするために、建設業法に基づいて受ける許可です。営業所が1つの都道府県内にあるだけなら都道府県知事の許可、2つ以上の都道府県に営業所があるなら国土交通大臣の許可になります。広島県内だけで営業するなら広島県知事許可です。

許可は29の業種に分かれており、取った業種の工事しか請け負えません。土木一式・建築一式の2つの一式工事と、27の専門工事(大工、左官、電気、管、内装仕上など)で構成されます。「建築一式を持っていれば何でもできる」という誤解がよくありますが、一式工事は総合的な企画・調整のもとで行う大規模工事が対象で、専門工事を単独で請け負うにはその業種の許可が必要です。

いくらの工事から許可が必要か

許可がなくても請け負えるのが軽微な建設工事です。基準は次のとおりで、金額はすべて消費税込みで判断します。

許可が不要な「軽微な建設工事」の範囲
工事の種類許可が不要な範囲これ以上なら許可が必要
建築一式工事請負代金1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事1,500万円以上
建築一式以外の27業種請負代金500万円未満500万円以上
注意したいのが「分割すれば逃れられる」という誤解です。同一の工事を意図的に分割して契約しても、合計額で判断されます。また、注文者が材料を提供する場合は、その材料費と運送費も請負代金に含めて計算します。

一般建設業と特定建設業の違い(2025年2月改正)

許可には一般建設業と特定建設業の2区分があります。分かれ目は「元請として受けた工事を、どれだけ下請に出すか」です。

一般建設業と特定建設業の区分(2025年2月1日施行の改正後)
区分どんな場合に必要か下請代金の基準
一般建設業下請に出さない、または出す額が基準未満基準未満
特定建設業発注者から直接請け負った工事を、下請に出す総額が基準以上になる5,000万円以上
(建築一式工事は8,000万円以上)

この金額は、2025年2月1日施行の政令改正で、従来の4,500万円(建築一式7,000万円)から引き上げられました。インターネット上には改正前の数値のまま書かれた解説が今も多く残っているため、判断の際は必ず現行の数値で確認してください。

なお、特定建設業は下請を保護する立場になるため、一般建設業より財産的基礎と専任技術者の要件が厳しく設定されています。下請に出す予定がないのであれば、まず一般建設業で取得するのが一般的です。

許可の5要件

建設業許可は、次の5つをすべて満たして初めて受けられます。

▼最大の関門である経営業務の管理責任者は、別記事で詳しく解説しています:経営業務の管理責任者とは?要件と証明方法
実務でつまずくのは、ほぼ最初の2つです。要件を満たす人がいるかどうかだけでなく、それを書類で証明できるかが本当の関門になります。過去の工事の契約書や注文書、確定申告書が手元に残っているかで、難易度が大きく変わります。

広島県の窓口・費用・期間

広島県知事許可の場合、申請先は主たる営業所の所在地を管轄する建設事務所です。県内は西部・東部・北部の3つに分かれています。

広島県の建設事務所と担当区域
建設事務所所在地・電話担当区域
西部建設事務所
建設業課
広島市南区比治山本町16-12
082-250-8161
広島市、廿日市市、大竹市、江田島市、府中町、海田町、坂町、熊野町、安芸太田町、北広島町
東部建設事務所福山市三吉町1丁目1-1
084-921-1311
福山市、尾道市、三原市、府中市、世羅郡、神石郡
北部建設事務所三次市十日市東4丁目6-1
0824-63-5181
三次市、庄原市

福山・尾道・三原方面に主たる営業所があるなら東部建設事務所、三次・庄原なら北部建設事務所が窓口です。なお、呉市・竹原市・東広島市・安芸高田市などは、西部建設事務所の呉支所・東広島支所といった支所が窓口になる場合があります。受付時間は平日の午前9時から11時、午後1時から4時です。どの窓口になるか迷う場合は、事前に電話で確認しておくと確実です。

申請手数料は、広島県知事許可の新規が90,000円、更新と業種追加がそれぞれ50,000円です。広島県証紙で納付し、不許可になっても返還されません。このほかに、登記事項証明書や納税証明書などの取得実費、行政書士に依頼する場合はその報酬がかかります。当事務所の報酬は案件の内容によって変わりますので、お見積りをお出ししています。

標準処理期間は、新規・般特新規・業種追加・更新のいずれもおおむね45日です。書類に補正があればさらに延びます。許可の有効期間は5年で、引き続き営業するには満了日の30日前までに更新申請が必要です。

申請の流れ

現場の話 行政書士・西岡より

建設業許可のご相談でいちばん多いのは「要件は満たしているはずなのに、証明できない」というケースです。経営経験も実務経験も実際にはあるのに、当時の契約書や注文書が残っていない。これで諦めてしまう方が本当に多いです。

だから私は、まだ許可を取る予定がない段階でも、工事の契約書と注文書は捨てずに残しておいてくださいとお伝えしています。いずれ500万円を超える話が来たとき、その紙の束がそのまま許可につながります。逆に、そこさえ押さえておけば、建設業許可は決して取りにくい許可ではありません。

よくある質問

Q建設業許可はいくらの工事から必要ですか?
A1件の請負代金が500万円(消費税込)以上の工事から必要です。建築一式工事の場合は1,500万円(消費税込)以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅工事から必要になります。これ未満は軽微な建設工事として許可が不要です。
Q一般建設業と特定建設業はどう違いますか?
A元請として工事を請け負い、下請に出す代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合は特定建設業の許可が必要です。この金額は2025年2月1日の政令改正で、従来の4,500万円(建築一式7,000万円)から引き上げられました。それ以外は一般建設業です。
Q建設業許可の要件は何ですか?
A経営業務の管理責任者がいること、営業所ごとに専任技術者がいること、請負契約に関して誠実性があること、財産的基礎(自己資本500万円以上または資金調達能力)があること、欠格要件に該当しないこと、の5つです。実務では最初の2つで止まるケースが多くあります。
Q広島ではどこに申請しますか?
A広島県知事許可の場合、主たる営業所の所在地を管轄する建設事務所です。広島市・廿日市市・大竹市・江田島市・府中町・海田町・坂町・熊野町・安芸太田町・北広島町は西部建設事務所の建設業課、福山市・尾道市・三原市・府中市・世羅郡・神石郡は東部建設事務所、三次市・庄原市は北部建設事務所が窓口になります。
Q費用と期間はどれくらいかかりますか?
A広島県知事許可の申請手数料は、新規が90,000円、更新と業種追加が50,000円です(広島県証紙で納付し、不許可でも返還されません)。標準処理期間はおおむね45日です。ほかに証明書類の取得実費と、行政書士に依頼する場合の報酬がかかります。
Q許可の有効期間は何年ですか?
A5年です。引き続き営業するには、有効期間が満了する日の30日前までに更新の申請をする必要があります。更新を忘れると許可は失効し、あらためて新規申請からやり直しになります。
まとめ

建設業許可が必要になるのは、請負代金500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事から。下請に5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)を出す元請なら特定建設業です。この金額は2025年2月に引き上げられています。

要件は5つですが、実際の関門は経営業務の管理責任者と専任技術者を書類で証明できるか。広島市内なら窓口は西部建設事務所、手数料90,000円、おおむね45日、有効期間5年です。

この記事の根拠
  • 建設業法および建設業法施行令(軽微な建設工事の範囲、許可の区分、有効期間)
  • 2025年2月1日施行の建設業法施行令改正(特定建設業の下請代金の基準を5,000万円/建築一式8,000万円に引上げ)
  • 広島県 土木建築局 建設産業課、広島県 地方機関一覧(建設事務所の担当区域、標準処理期間おおむね45日、受付時間)

金額・期間は2026年10月時点の内容です。制度は改正されることがあるため、申請前に最新の情報をご確認ください。

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