建設業許可とは?
広島で取るための5要件・費用・期間
「500万円を超える工事の話が来たが、うちは許可を持っていない」「元請から許可業者でないと発注できないと言われた」——建設業許可は、仕事の規模が大きくなる段階で必ず突き当たる壁です。この記事では、許可が必要になる金額の線引き、一般と特定の違い、5つの許可要件、そして広島県での窓口・費用・期間を整理します。なお、一般と特定を分ける金額は2025年2月1日の改正で引き上げられており、古い数値を載せている解説が今も多いため、その点も明記します。
- 建設業許可が必要なのは、1件の請負代金が500万円(税込)以上の工事から。建築一式工事は1,500万円以上、または延べ150平方メートル以上の木造住宅工事から。
- 元請として下請に出す総額が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)なら特定建設業。この基準は2025年2月1日の改正で4,500万円/7,000万円から引き上げられた。
- 要件は経営業務の管理責任者・専任技術者・誠実性・財産的基礎(500万円以上)・欠格要件に非該当の5つ。
- 広島市内に営業所があるなら窓口は西部建設事務所 建設業課。手数料は新規90,000円、標準処理期間はおおむね45日、有効期間は5年。
建設業許可とは
建設業許可とは、建設工事の完成を請け負う営業をするために、建設業法に基づいて受ける許可です。営業所が1つの都道府県内にあるだけなら都道府県知事の許可、2つ以上の都道府県に営業所があるなら国土交通大臣の許可になります。広島県内だけで営業するなら広島県知事許可です。
許可は29の業種に分かれており、取った業種の工事しか請け負えません。土木一式・建築一式の2つの一式工事と、27の専門工事(大工、左官、電気、管、内装仕上など)で構成されます。「建築一式を持っていれば何でもできる」という誤解がよくありますが、一式工事は総合的な企画・調整のもとで行う大規模工事が対象で、専門工事を単独で請け負うにはその業種の許可が必要です。
いくらの工事から許可が必要か
許可がなくても請け負えるのが軽微な建設工事です。基準は次のとおりで、金額はすべて消費税込みで判断します。
| 工事の種類 | 許可が不要な範囲 | これ以上なら許可が必要 |
|---|---|---|
| 建築一式工事 | 請負代金1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事 | 1,500万円以上 |
| 建築一式以外の27業種 | 請負代金500万円未満 | 500万円以上 |
一般建設業と特定建設業の違い(2025年2月改正)
許可には一般建設業と特定建設業の2区分があります。分かれ目は「元請として受けた工事を、どれだけ下請に出すか」です。
| 区分 | どんな場合に必要か | 下請代金の基準 |
|---|---|---|
| 一般建設業 | 下請に出さない、または出す額が基準未満 | 基準未満 |
| 特定建設業 | 発注者から直接請け負った工事を、下請に出す総額が基準以上になる | 5,000万円以上 (建築一式工事は8,000万円以上) |
この金額は、2025年2月1日施行の政令改正で、従来の4,500万円(建築一式7,000万円)から引き上げられました。インターネット上には改正前の数値のまま書かれた解説が今も多く残っているため、判断の際は必ず現行の数値で確認してください。
なお、特定建設業は下請を保護する立場になるため、一般建設業より財産的基礎と専任技術者の要件が厳しく設定されています。下請に出す予定がないのであれば、まず一般建設業で取得するのが一般的です。
許可の5要件
建設業許可は、次の5つをすべて満たして初めて受けられます。
- 経営業務の管理責任者がいること。建設業の経営経験が原則5年以上ある人を、常勤の役員等として置く必要があります。
- 営業所ごとに専任技術者がいること。国家資格を持つ人、または一定年数の実務経験がある人を、その営業所に常勤で配置します。
- 誠実性があること。請負契約に関して不正や不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと。
- 財産的基礎があること。一般建設業なら、自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること。
- 欠格要件に該当しないこと。役員等が、禁錮以上の刑や建設業法違反などの処分から一定期間を経過していること、暴力団員でないことなど。
広島県の窓口・費用・期間
広島県知事許可の場合、申請先は主たる営業所の所在地を管轄する建設事務所です。県内は西部・東部・北部の3つに分かれています。
| 建設事務所 | 所在地・電話 | 担当区域 |
|---|---|---|
| 西部建設事務所 建設業課 | 広島市南区比治山本町16-12 082-250-8161 | 広島市、廿日市市、大竹市、江田島市、府中町、海田町、坂町、熊野町、安芸太田町、北広島町 |
| 東部建設事務所 | 福山市三吉町1丁目1-1 084-921-1311 | 福山市、尾道市、三原市、府中市、世羅郡、神石郡 |
| 北部建設事務所 | 三次市十日市東4丁目6-1 0824-63-5181 | 三次市、庄原市 |
福山・尾道・三原方面に主たる営業所があるなら東部建設事務所、三次・庄原なら北部建設事務所が窓口です。なお、呉市・竹原市・東広島市・安芸高田市などは、西部建設事務所の呉支所・東広島支所といった支所が窓口になる場合があります。受付時間は平日の午前9時から11時、午後1時から4時です。どの窓口になるか迷う場合は、事前に電話で確認しておくと確実です。
申請手数料は、広島県知事許可の新規が90,000円、更新と業種追加がそれぞれ50,000円です。広島県証紙で納付し、不許可になっても返還されません。このほかに、登記事項証明書や納税証明書などの取得実費、行政書士に依頼する場合はその報酬がかかります。当事務所の報酬は案件の内容によって変わりますので、お見積りをお出ししています。
標準処理期間は、新規・般特新規・業種追加・更新のいずれもおおむね45日です。書類に補正があればさらに延びます。許可の有効期間は5年で、引き続き営業するには満了日の30日前までに更新申請が必要です。
申請の流れ
- ① 要件の確認。経営業務の管理責任者と専任技術者を社内で確保できるか、財産的基礎を満たすかを確認します。ここが欠けていると、書類をそろえても通りません。
- ② 業種と区分の決定。29業種のうちどれを取るか、一般か特定かを決めます。
- ③ 証明資料の収集。経営経験と実務経験を裏づける契約書・注文書・確定申告書などを集めます。実務上もっとも時間がかかる工程です。
- ④ 申請書の提出。主たる営業所を管轄する建設事務所へ提出します(広島市内なら西部建設事務所の建設業課、福山・尾道方面なら東部建設事務所、三次・庄原なら北部建設事務所)。手数料は新規90,000円です。
- ⑤ 審査・許可通知。おおむね45日で結果が出ます。許可されれば通知書が届き、営業を開始できます。
建設業許可のご相談でいちばん多いのは「要件は満たしているはずなのに、証明できない」というケースです。経営経験も実務経験も実際にはあるのに、当時の契約書や注文書が残っていない。これで諦めてしまう方が本当に多いです。
だから私は、まだ許可を取る予定がない段階でも、工事の契約書と注文書は捨てずに残しておいてくださいとお伝えしています。いずれ500万円を超える話が来たとき、その紙の束がそのまま許可につながります。逆に、そこさえ押さえておけば、建設業許可は決して取りにくい許可ではありません。
よくある質問
建設業許可が必要になるのは、請負代金500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事から。下請に5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)を出す元請なら特定建設業です。この金額は2025年2月に引き上げられています。
要件は5つですが、実際の関門は経営業務の管理責任者と専任技術者を書類で証明できるか。広島市内なら窓口は西部建設事務所、手数料90,000円、おおむね45日、有効期間5年です。
- 建設業法および建設業法施行令(軽微な建設工事の範囲、許可の区分、有効期間)
- 2025年2月1日施行の建設業法施行令改正(特定建設業の下請代金の基準を5,000万円/建築一式8,000万円に引上げ)
- 広島県 土木建築局 建設産業課、広島県 地方機関一覧(建設事務所の担当区域、標準処理期間おおむね45日、受付時間)
金額・期間は2026年10月時点の内容です。制度は改正されることがあるため、申請前に最新の情報をご確認ください。
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「要件を満たしているか分からない」「経営経験を証明する書類が揃うか不安」——建設業許可は、要件そのものより証明の組み立てで決まります。要件の診断から証明資料の洗い出し、申請書の作成・提出、取得後の決算変更届や更新まで一貫してお任せください。