西岡行政書士事務所
EX-POLICE GYOSEISHOSHI
産業廃棄物中間処理を考える方へ

産業廃棄物処分業許可とは?
中間処理と15条施設の二段構え

監修:西岡 祐也(行政書士)

「運ぶだけでなく、自社で破砕までやりたい」——収集運搬をされている方から、こうしたご相談をいただきます。必要になるのが産業廃棄物処分業許可です。
ここで必ず説明するのが2つの落とし穴です。ひとつは収集運搬で使えた「県の許可1つで県内全域」という扱いが、処分業には及ばないこと。もうひとつは処分業の許可を取っても、それだけでは施設を設置できないことです。順に整理します。

この記事の要点

処分業許可とは

産業廃棄物処分業許可とは、他人から委託を受けて産業廃棄物の処分を業として行うために受ける許可です。処分の内容によって2つに分かれます。

中間処理と最終処分
区分内容
中間処理焼却・破砕・脱水・中和・選別などにより、廃棄物の性状や量を変えること
最終処分埋立処分など、廃棄物を最終的に処分すること

建設系で多いのは破砕です。がれき類を破砕して再生砕石にする、木くずを破砕してチップにする——こうした事業が中間処理にあたります。

運ぶだけなら収集運搬業許可、処分まで行うなら処分業許可という関係です。両方やるなら両方の許可が必要になります。許可は別々ですので、収集運搬の許可を持っているからといって処分ができるわけではありません。
▼収集運搬業許可そのものの全体像はこちら:産業廃棄物収集運搬業許可とは?広島の要件・費用・政令市の扱い

許可権者は処分する場所ごと

ここが1つ目の落とし穴です。処分業の許可は、処分を行う場所を管轄する都道府県知事または政令市長から受けます。

広島市のウェブサイトにも、広島市内で産業廃棄物の処分を業として行う場合には、産業廃棄物処理業の許可を広島市長から受ける必要があると明記されています。

収集運搬業と処分業の違い(広島県の場合)
収集運搬業
(積替え保管を含まない)
処分業
必要な許可広島県知事の許可で政令市の区域を含む県内全域が可能処分を行う場所を管轄する知事または政令市長の許可
広島市内で行う場合県の許可で可広島市長の許可が必要

つまり収集運搬で使えた「県の許可1つ」という考え方は、処分業には通用しません。広島市内に施設を置くなら広島市長の許可、福山市内なら福山市長の許可です。複数の市にまたがって処分場を持つなら、その数だけ許可が必要になります。

施設の立地を検討される段階で、どの行政庁の許可になるかを確認してください。広島市・呉市・福山市は産業廃棄物の事務を処理する政令市なので、この3市の区域内かどうかで窓口が変わります。

処分業許可と施設設置許可は別物

2つ目の落とし穴、そしてこの記事でいちばんお伝えしたい点です。

処分業の許可を取っても、それだけでは処理施設を設置できません。
一定規模以上の施設には、別に「産業廃棄物処理施設の設置許可」が必要です。

根拠は廃棄物処理法第15条です。施設を新たに設置する場合は、事前に設置許可を受けなければなりません。つまり二段構えになっています。

2つの許可の関係
処分業の許可処理施設の設置許可
何の許可か業として処分を行うことの許可施設を設置することの許可
対象処分業を行う者一定規模以上の施設を設置する者
タイミング事業を始める前施設を設置する前

順番を間違えると大変です。機械を購入して据え付けてから「設置許可が必要だった」と分かるのが最悪の展開です。設置許可は設置前に受けるものですから、後から追いつけません。

なお設置許可が不要な規模であれば、処分業の許可だけで事業を行えます。だからこそ、次の規模の線引きが重要になります。自社が導入する機械の処理能力が、どちらに転ぶか。ここを最初に確かめてください。

設置許可が必要になる規模

設置許可の対象となる施設は、種類ごとに規模が定められています。建設系で関わりの深いものを中心に示します。

設置許可の対象となる主な施設と規模
施設規模
木くず又はがれき類の破砕施設処理能力5トン/日を超えるもの
廃プラスチック類の破砕施設処理能力5トン/日を超えるもの
廃プラスチック類の焼却施設処理能力100キログラム/日超、または火格子面積2平方メートル以上
汚泥の脱水施設処理能力10立方メートル/日を超えるもの
汚泥の乾燥施設処理能力10立方メートル/日超(天日乾燥は100立方メートル/日超)
汚泥の焼却施設処理能力5立方メートル/日超、200キログラム/時以上、または火格子面積2平方メートル以上のいずれか
廃油の油水分離施設処理能力10立方メートル/日を超えるもの
廃酸・廃アルカリの中和施設処理能力50立方メートル/日を超えるもの(中和槽を有し、放流目的でないもの)
最終処分場(遮断型・安定型・管理型)すべてのもの(規模を問わない)

建設系で押さえるべきは破砕の5トン/日です。がれき類も木くずも廃プラスチック類も、5トン/日を超えると設置許可の対象になります。

そして最終処分場は規模にかかわらずすべてが対象です。遮断型・安定型・管理型のどれであっても、設置許可が必要になります。

機械のカタログに書かれた処理能力が判断材料になります。「1時間あたり何トン」で書かれていることが多いので、稼働時間を掛けて1日あたりに換算して確認してください。5トン/日を少し超える程度の機械を選ぶと設置許可が必要になり、手続の重さが一気に変わります。機械選定の段階で相談されるのが得策です。

講習会は課程が違う

収集運搬業と同じく、処分業の許可申請にも公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習会修了証が必要です。ただし課程が異なります。処分業の許可申請には処分の課程の修了証が必要です。

そして修了証の有効期間にも区別があります。

講習会修了証の有効期間
講習会有効期間
新規許可講習会5年
更新許可講習会2年

注意していただきたいのが、更新許可講習会の修了証を新規の申請に使うことはできないという点です(他の都道府県の許可を既に受けている場合を除きます)。「講習は受けたのだから大丈夫」と思っていても、課程が違えば申請できません。

広島県内では、講習会の受付や問い合わせを一般社団法人広島県資源循環協会が扱っています。日程は限られますので、どの課程をいつ受けるかを最初に決めてください。収集運搬と処分の両方をやるなら、必要な課程も2つになります。

手数料と有効期間

広島市に申請する場合の産業廃棄物処分業の手数料は次のとおりです。

産業廃棄物処分業の申請手数料(広島市)
区分手数料
新規許可100,000円
更新許可94,000円
変更許可92,000円

収集運搬業の新規81,000円より高く設定されています。両方の許可を取るなら、それぞれに手数料がかかります。このほかに講習会の受講料、登記事項証明書などの取得実費、施設の設置許可が必要な場合はその申請に係る費用が加わります。行政書士に依頼される場合はその報酬もかかりますので、当事務所ではお見積りをお出ししています。

許可の有効期間は5年です。優良産廃処理業者認定を受けた場合は7年に延長されます。更新を受けなければ満了とともに効力を失いますので、期限の管理が必要です。

広島での事前協議

処分業と施設設置は、申請書を出すところから始まるわけではありません。その前に窓口での協議があります。

広島県では、処分業の許可申請および産業廃棄物処理施設に係る設置許可申請については、事前に申請窓口で説明を受けることとされています。収集運搬業(積替え保管を含まない)のように手引きと書類一覧だけで進められるものではありません。

広島市では、「広島市産業廃棄物処理施設の設置等に関する指導要綱」に基づく事前協議が必要となる場合があります。また広島県にも、産業廃棄物処理施設の設置等に伴う紛争の予防と調整を図るための地元調整に関する要綱が定められています。

つまり施設を置く話には地元との調整が付いてきます。周辺への説明や縦覧といった手続が入るため、許可が出るまでの期間は収集運搬業とは比べられません。年単位の計画として考えてください。
相談先は広島県産業廃棄物対策課 適正処理グループ(広島市中区基町10-52/082-513-2963)、または広島市・呉市・福山市の各窓口です。
▼廃棄物の種類の区分はこちら:産業廃棄物の20種類と建設廃棄物|排出事業者は元請
▼マニフェストと年次報告はこちら:産業廃棄物マニフェストとは?返送期限と6月30日の報告
現場の話 行政書士・西岡より

処分業のご相談で、私が最初に確認するのは「どんな機械を入れる予定ですか」です。処理能力の数字で、話がまったく変わってしまうからです。5トン/日を超えれば施設の設置許可が必要になり、地元調整まで入ってきます。

ですから機械を買う前にご相談くださいとお伝えしています。据え付けてから設置許可が必要だと分かっても、設置許可は設置前に受けるものですから、取り返しがつきません。カタログの処理能力を一緒に見るだけで、進む道が決まります。

そしてもうひとつ。収集運搬の許可をお持ちの方は「県の許可があるから大丈夫」と思われがちです。でも処分業は処分する場所ごとの許可です。広島市内に施設を置くなら広島市長の許可。ここを前提にして場所を探していただくほうが、後戻りがありません。

よくある質問

Q産業廃棄物処分業許可とは何ですか?
A他人から委託を受けて産業廃棄物の処分を業として行うために受ける許可です。焼却・破砕・脱水・中和・選別などで廃棄物の性状や量を変える中間処理と、埋立処分などの最終処分に分かれます。運ぶだけであれば収集運搬業許可で足り、処分を行うにはこの許可が別に必要です。
Q処分業の許可は県の許可だけで足りますか?
A足りません。処分業の許可は処分を行う場所を管轄する都道府県知事または政令市長から受けます。広島市内で処分を行うのであれば広島市長の許可が必要です。収集運搬業で認められている、県知事の許可で政令市の区域を含む県内全域を運搬できるという扱いは、処分業には及びません。
Q処分業の許可を取れば処理施設を設置できますか?
Aできません。処分業の許可と、産業廃棄物処理施設の設置許可は別の許可です。一定規模以上の施設を設置する場合は、処分業の許可とは別に廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条の設置許可を受ける必要があります。施設を新たに設置する場合は、事前に設置許可が必要です。
Qどのくらいの規模から施設の設置許可が必要ですか?
A施設の種類によって異なります。木くず又はがれき類の破砕施設と廃プラスチック類の破砕施設は処理能力5トン/日を超えるもの、汚泥の脱水施設は10立方メートル/日を超えるもの、汚泥の焼却施設は処理能力5立方メートル/日超か200キログラム/時以上か火格子面積2平方メートル以上のいずれかに該当するものが対象です。遮断型・安定型・管理型の最終処分場は、規模にかかわらずすべてが対象です。
Q処分業の講習会は収集運搬業と同じですか?
A課程が異なります。公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習会には収集運搬業のための課程と処分業のための課程があり、処分業の許可申請には処分の課程の修了証が必要です。修了証の有効期間は、新規許可講習会が5年、更新許可講習会が2年です。更新許可講習会の修了証を新規の申請に使うことはできません(他の都道府県の許可を既に受けている場合を除きます)。
Q処分業の手数料はいくらですか?
A広島市の産業廃棄物処分業の手数料は、新規許可が100,000円、更新許可が94,000円、変更許可が92,000円です。収集運搬業の新規81,000円より高く設定されています。このほかに講習会の受講料や証明書類の取得実費、施設の設置許可が必要な場合はその申請に係る費用がかかります。
Q許可の有効期間は何年ですか?
A5年です。優良産廃処理業者認定を受けた場合は7年に延長されます。更新を受けなければ有効期間の満了とともに許可は効力を失いますので、期限の管理が必要です。
まとめ

処分業許可は処分を行う場所を管轄する知事または政令市長から受けます。収集運搬の「県の許可で県内全域」という扱いは及びません。広島市内に施設を置くなら広島市長の許可です。

そして処分業の許可と施設の設置許可は別物です。木くず・がれき類・廃プラスチック類の破砕は5トン/日を超えると第15条の設置許可が必要になり、最終処分場は規模を問わずすべて対象。設置許可は設置前に受けるものですから、機械を据え付けてからでは間に合いません。

講習会は処分の課程が必要で、修了証は新規5年・更新2年。広島市の手数料は新規100,000円、有効期間は5年(優良認定で7年)。施設を置く話には事前協議と地元調整が付きますので、機械選定と立地の段階からご相談ください。

この記事の根拠
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条(産業廃棄物処理業の許可)、第15条(産業廃棄物処理施設の設置許可)、同法施行令
  • 広島市「産業廃棄物処分業(最終処分)の許可申請」(広島市内で産業廃棄物の処分を業として行う場合は広島市長の許可を受ける必要がある旨、申請手数料=新規100,000円・更新94,000円・変更92,000円、「広島市産業廃棄物処理施設の設置等に関する指導要綱」に基づく事前協議、提出書類)
  • 広島市「許可申請に関する講習会」(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施、修了証の有効期間は新規許可講習会が5年・更新許可講習会が2年、更新許可講習会の修了証は新規申請には使用できない(他の都道府県の許可を受けている場合を除く)、広島県内の受付は一般社団法人広島県資源循環協会)
  • 広島県「産業廃棄物処理業に係る許可申請及び届出等」(処分業の許可申請および産業廃棄物処理施設に係る設置許可申請は事前に申請窓口で説明を受けること、産業廃棄物処理施設の設置等に伴う紛争の予防と調整のための地元調整の要綱、問い合わせ先=産業廃棄物対策課 適正処理グループ 082-513-2963)
  • 広島県「産業廃棄物収集運搬業許可の合理化について」(積替え保管を含まない収集運搬業は県知事の許可で政令市の区域を含む県内全域が可能であること。処分業はこの対象外)
  • 千葉県「産業廃棄物処理施設について」(設置許可を要する施設の種類と規模=木くず又はがれき類の破砕施設および廃プラスチック類の破砕施設は5トン/日超、汚泥の脱水施設・乾燥施設・廃油の油水分離施設は10立方メートル/日超、汚泥の焼却施設は5立方メートル/日超または200キログラム/時以上または火格子面積2平方メートル以上、廃プラスチック類の焼却施設は100キログラム/日超または火格子面積2平方メートル以上、廃酸・廃アルカリの中和施設は50立方メートル/日超、遮断型・安定型・管理型の最終処分場はすべて)

2026年10月時点の内容です。手数料や対象施設の規模は改正されることがあり、また施設の立地には他の法令の規制もかかるため、計画の段階で広島県産業廃棄物対策課または広島市・呉市・福山市の各窓口にご相談ください。

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