深夜営業届と飲食店営業許可の関係|
どっちが先?両方いる?
深夜0時を過ぎてもお酒を出すバーやスナック(接待なし)を開くとき、多くの方が混乱するのが「飲食店営業許可(保健所)」と「深夜営業届(警察)」の2つです。「飲食店の許可を取ったから、もう営業できるでしょ?」「深夜営業届を出せば、それで足りるんでしょ?」——どちらもよくある誤解です。結論はシンプルで、深夜にお酒を出すなら、両方必要。この記事では、なぜ両方要るのか、どちらを先に進めるべきか、そして取り違えるとどうなるかを整理します。
- 深夜0時以降にお酒を出すバー・居酒屋は、保健所の「飲食店営業許可」と警察の「深夜営業届」の両方が必要。どちらか一方では営業できない。
- 順番は飲食店営業許可(保健所)が先。深夜営業届は、飲食店営業許可があることを前提に警察へ提出する。
- 飲食店営業許可だけでは、深夜0時以降にお酒メインの営業はできない。逆に深夜営業届だけ出しても、飲食店営業許可がなければそもそも営業できない。
- 広島市の飲食店営業許可:手数料16,000円・有効期間5年(更新制)。窓口は広島市保健所(中区富士見町)。深夜営業届は手数料0円で有効期限なし。
- 保健所も警察も図面の確認がある。求められる図面はまったく別物なので、内装工事の前に両方の基準を織り込むのが二度手間を防ぐコツ。
・深夜0時以降にお酒を出すなら「飲食店営業許可」+「深夜営業届」の両方が必要
・順番は、飲食店営業許可(保健所)が先 → 深夜営業届(警察)が後
・広島市:飲食店営業許可は手数料16,000円・有効期間5年/深夜営業届は0円・期限なし
図面は両方で見られる(しかも別物)。内装工事前に両方の基準を織り込むこと。
なぜ「両方」必要なのか — 目的がまったく違う2つの手続き
同じお店に2つの手続きが要るのは、見ている役所と、守ろうとしているものが違うからです。
飲食店営業許可=「食の安全」
食品衛生法にもとづく許可。衛生的な設備と管理体制があるかをチェック。シンク・手洗い・冷蔵設備といった厨房まわりの基準や、食品衛生責任者の設置が中心。お酒や深夜営業の有無に関係なく、飲食店なら必ず必要な土台の許可。
深夜営業届=「深夜の風俗環境」
風営法にもとづく届出。深夜0時以降に酒類を提供する営業は地域の風俗環境に影響しうるため、どこで・どんな構造の店が・どんな営業をするのかを届け出る。場所(用途地域)や客室の構造・照明が中心で、見ているのは衛生ではなく環境と秩序。
つまり、保健所は「食」を、警察は「深夜の環境」を見ている。目的が違うから、どちらか一方では代わりにならないのです。
どっちが先? — 飲食店営業許可が先、が鉄則
順番は明確です。先に保健所の飲食店営業許可、その後に警察の深夜営業届。
理由は実務的で、深夜営業届は「飲食店営業を営む者」が深夜に酒類を提供するための届出だからです。届出の添付書類にも飲食店営業許可証の写しを求められるのが一般的で、飲食店営業許可がない状態では、深夜営業届は受け付けてもらえないと考えてください。
広島市での段取り(時系列)
- 保健所へ事前相談(広島市保健所 食品指導課/中区富士見町11-27)。工事前に施設の平面図を持参し、基準に合うかを確認
- 内装施工(このとき警察の深夜営業の基準=求積・照明なども織り込んでおく)
- 飲食店営業許可を申請(許可取得希望のおおむね2週間前までに。手数料16,000円)※食品衛生責任者が必要(講習1日で取得可)
- 保健所の検査→飲食店営業許可の取得(有効期間5年・更新制)
- 警察署へ深夜営業届を提出(手数料0円)
- 届出受理から10日後、深夜営業スタート
飲食店営業許可を待ってから深夜届、と直列に進めると時間がかかるので、深夜届の書類(図面など)は飲食店営業許可を待つ間に作っておくのが時短のコツです。
よくある取り違え3パターン
出せません。飲食店営業許可は営業時間を縛りませんが、深夜0時以降に"酒類の提供をメインとする営業"をするなら、別途、深夜営業届が必要です。届出をせずに深夜営業を続けると、無届営業として罰則(50万円以下の罰金)の対象になります。
なお、ラーメン店や定食屋のように食事がメインの店は、深夜に営業してお酒を添えても深夜営業届は不要とされています。「酒類の提供が主かどうか」が分かれ目です。
たとえ開業したいお店がラーメン店であっても、深夜営業届が必要かどうか、必ず管轄の警察署に確認してください。「食事がメインだから不要」かどうかを判断するのは、あなたではなく警察だからです。自己判断で「うちは大丈夫」と決めつけるのがいちばん危険です。
できません。深夜営業届は飲食店営業許可があることが前提。土台の許可なしに届出だけ出しても、そもそも飲食店として営業できません。
限りません。保健所が見るのは厨房・衛生設備、警察が見るのは客室の構造・照明・求積図。それぞれ基準が別なので、保健所仕様で作った内装が警察の基準(見通しや照度など)で引っかかることがあります。内装工事の前に、両方の基準を図面に織り込むのが二度手間を防ぐ唯一の方法です。
保健所が求める図面と、警察が求める図面は全く違います。警察に提出する図面には、さまざまな寸法の記載が必要になります(各都道府県警のホームページに掲載されている記載例を参考にしてください)。「保健所に出した図面を使い回せばいい」とはいかないので、しっかり準備しましょう。
2つの手続きの違い早見表
| 飲食店営業許可 | 深夜営業届 | |
|---|---|---|
| 提出先 | 保健所(広島市:中区富士見町) | 営業所を管轄する警察署 |
| 根拠法 | 食品衛生法 | 風営法 |
| 性質 | 許可(審査あり) | 届出 |
| 手数料 | 16,000円(広島市) | 0円 |
| 有効期間 | 5年(更新制) | 期限なし |
| 主なチェック | 厨房・衛生設備、食品衛生責任者 | 場所(用途地域)、客室構造、照明、求積図 |
| 営業開始 | 許可取得後 | 届出受理から10日後 |
まとめ
- 深夜0時以降にお酒メインの営業をするなら、飲食店営業許可+深夜営業届の両方が必要。
- 順番は保健所(飲食店営業許可)が先。深夜届は許可証の写しが前提になる。
- 食事メインの店でも、深夜営業届の要否は自己判断せず警察に確認。判断するのは警察。
- 広島市の飲食店営業許可は16,000円・5年更新。深夜届は0円・期限なし。
- 保健所と警察では求める図面が全く違う。内装工事前に両方の基準を図面へ。
「飲食店の許可はもう取ったけど、深夜営業届はこれから」という方も、「これから両方まとめて」という方も、段取りごとお任せいただけます。広島で深夜営業をお考えなら、お気軽にご相談ください。
よくある質問
段取りがすべてです
「内装工事の前に両方の基準を織り込む」「許可を待つ間に届出書類を作る」——元広島県警察官13年の行政書士が、最短ルートの段取りを組んで伴走します。広島で深夜営業のバー開業をお考えなら、お気軽にご相談ください。